2024 年 12月 22日 (日)
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韓国版ふるさと納税「手続き、複雑すぎる!」…寄付望む高齢者に高い壁

故郷愛寄付制広報ポスター(c)news1

韓国で新年から地方自治体が実施している「故郷愛寄付制」(韓国版ふるさと納税)。だが、情報弱者に対する配慮不足と広報の不備など、改善の必要性を訴える声が続出している。

「故郷に一度だけ寄付をするのに、なんでこんなに複雑なんですか」

全羅北道(チョンラブクト)全州(チョンジュ)が故郷のハンさん(32)は、懐かしの故郷への寄付を思い立った。だが、いざ手続きを始めてみると、すぐに固まってしまった。

寄付のため、「故郷サランeウム」ホームページに接続して、会員加入を終えた。これで終わりかと思ったら、その前に国税庁地方税納付サービス「ウィテックス」に接続する必要がある、と知らされた。ウィテックスに接続してみた。すると、今度は煩雑な本人認証を要求された。

こうした複雑な手続きを終え、ハンさんはようやく、故郷の全州に10万ウォン(約1万円)を送ることができた。しかし、すぐに寄付の内訳が表示されたわけではない。20~30分ほど待ったあと、ようやく内訳が出てきた。

「このホームページでは、手続きに関する説明が本当に不足している」。ハンさんはこう怒りを込めた。

故郷愛寄付制に参加すると見込まれているのは「高齢の出郷民」たちだ。だが「オンライン金融取引に慣れていない高齢層は、非対面による寄付が難しいだろう」(ハンさん)という状況にある。

だからといって対面での寄付も容易ではない。

農協など金融機関を訪問し、現金で寄付金を払っても、返礼品を受け取るためには結局、オンライン接続を求められる。その過程でまた本人認証が必須だ。

結局、高齢者ら「情報弱者」には高いハードルなのだ。

(c)news1

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