2024 年 6月 22日 (土)
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韓国政府や政党も本腰 [KWレポート] 救急病院のたらい回し20年 (5)

(c)MONEYTODAY

「救急室たらい回し」事故が、最近相次ぎ、韓国政府や政党も本腰を入れ始めた。「軽症患者移送制限」や「重症救急患者収容義務化」などが新たな対策の骨子だ。特に軽症患者の病床を重症患者に割り当てるというものは、従来より強力な対策として注目される。

しかし、これを除いた対策の多くは、既に発表された「応急医療基本計画」に基づくものだ。政府は4回にわたり応急医療基本計画を推進しながら、同じ問題が繰り返されており、今回の対策も実効性が疑われている。

今回、政府や党が出した対策について、医療界は「全体的な方向性には同意する」としながらも「根本的な問題解決にはつながらないのではないか」との見方が強い。大韓救急医学会理事長を歴任した嘉泉大学吉病院のヤン・ヒョクジュン圏域応急医療センター長は「軽症患者もたとえ軽症ではあるが、救急患者であることは明らかだ。軽症の救急患者までも救急室で1次診療を受けられるように環境を整えるべきだ」と強調した。

◇施設だけを増やす?意味がない

問題解決には、医療システム全般を見直すべきだという指摘も出ている。

最も緊急を要するのが「医師の空白」の問題だ。ヤン・ヒョクジュン氏は「救急室で処置と応急施術などで1次診療を終えて、関連診療科があれば、患者の手術などの治療をバトンタッチすることができる。そうすれば新たな応急患者を受けることができる。だが現実にはバトンをタッチする専攻医・専門医が不足しているか、いない」と強調する。

関連診療科は、すべて「必須医療」領域に該当する。しかし、必須医療の人材自体が不足し、救急救命室での1次診療から次の段階に移行できない。例えば、心臓手術を受けなければならない患者に、救急室で応急処置を施行しても、胸部外科専門医や専攻医がいなければ、この患者は胸部手術を受けることができない。胸部外科手術が必要なことが明らかであれば、救急救命室で患者を受けられないということになる。

実際、救急車再移送の31.4%は、該当疾患を見る医師不足(専門医不在)が原因だった。野党「共に民主党」のチェ・ヘヨン議員(国会保健福祉委員会)は「医療スタッフがおらず、治療を受けられない状況だ。救急救命施設だけを増やすのは意味がない」と指摘した。

◇スマートマップの構築

救急室の関連診療科には、▽胸部外科▽神経外科▽小児青少年科▽外科などが挙げられる。いずれも必須医療領域である。ヤン・ヒョクジュン氏は「専攻医特別法施行以後、24時間勤務する専攻医が消えた。報酬は低いうえ、医療事故訴訟に巻き込まれやすいためだ。専攻医が必須医療を忌避する原因を、政府が取り除かなければ、救急診療問題は解決できない」とみる。

政府と与党は救急室・圏域外傷センターだけでなく、関連する診療科にも特別報酬支給と直接的な予算支援などについて議論している。

だが、医療界の反応は冷淡だ。

地域医療院は4億ウォン(約3485万円)を超える年俸にもかかわらず、働く医師を見つけられないのが現実だ。制限的に割り当てられる医療手当は、魅力的な「ニンジン」にはならないと見ている。

そこで必須医療分野の報酬正常化などの対策とともに、直ちに病院ごとに備えられた資源を最大限効率的に運営できる「広域関連診療」体系を整えるべきだという主張が説得力をもつ。

慶煕大学病院神経外科のチェ・ソクグン教授は「応急患者を生かすために、地域別に治療できる医療スタッフと手術条件が確保されたところを知らせる『スマートマップ』を急いで構築すべきだ」と述べた。

(つづく)

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