
韓国政府が、滑走路を逸脱する航空機事故を防ぐための安全対策として「アレスター・ベッド(EMAS)」の導入を本格的に進めている。昨年発生した済州航空機事故を契機に、国土交通省は滑走路の終端安全区域が基準を満たしていない国内8空港を優先候補地に選定し、導入に向けた検討を開始した。EMASの設置により、韓国国内の空港安全性が飛躍的に改善されることが期待されている。
EMASは、オーバーランを防ぐために滑走路末端に設置された区域で、発泡コンクリートが敷き詰められている。オーバーランした航空機を路面にめり込ませて制動させるシステムである。
アメリカでは1996年にニューヨークのJFK国際空港に初めて導入され、現在は67空港、110の滑走路で運用されている。日本や中国などでも導入が進められており、滑走路終端の安全区域が十分に確保できない空港において有効な対策とされる。
韓国国土交通省によると、EMASの優先導入対象として検討されているのは、金海空港(236メートル)、麗水空港(208メートル)、務安空港(199メートル)、泗川空港(122メートル)、浦項・慶州空港(92メートル)、蔚山空港(90メートル)、原州空港(90メートル)、済州空港の補助滑走路(90メートル)の計8カ所。
国土交通省は、これらの空港で現地調査を実施中で、追加の土地取得による終端安全区域の延長が可能かどうかを検討している。
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