
2025年2月に亡くなった韓国の俳優キム・セロンさんが、生前に父親に数億ウォンを貸すなど、家族に対し経済的支援をしていたことが明らかになった。
SBS芸能ニュースの報道によると、キム・セロンさんの父親は2020年12月、議政府地裁に個人破産を申請し、2023年3月に破産免責の決定を受けた。
この破産申請における20人以上の債権者の中にはキム・セロンさんの名前も含まれている。キム・セロンさんが貸した金額は2億5000万ウォンを超えていた。当時のキム・セロンさんは満20歳だった。
2021年5月には、父親が開業した飲食店にもキム・セロンさんが多額を投資し、芸能界の人脈も総動員して経営をサポートしたが、店舗は昨年、月額賃料や管理費の滞納により契約期間満了前に閉店。保証金も全額失われた。
芸能界関係者によれば、キム・セロンさんはカフェ、バー、花屋、演技指導など、さまざまな仕事で生活費を稼ぎ続けていたが、家賃の支払いに困るほど厳しい状況だったという。昨年初めには知人のスポーツ選手から借りた約5000万ウォンの返済に迫られ、所属事務所が一部を肩代わりしたこともあった。
キム・セロンさんが住んでいたヴィラの近隣住民は「彼女が階段に座って泣いていたので声をかけたところ、『一生懸命働いてきたのにお金のことでつらい』と話し、手首を見せていた」と明かした。最後に見かけたのは亡くなる2カ月前だったと語った。
実際、キム・セロンさんは生前、公に生活苦を訴えていた。2023年には飲酒運転で起訴された際、弁護人を通じて「一家を支える未婚の家長として、家族全体が生活苦にあえいでいる」と述べていた。また昨年9月にはSNSで「知人に借金がある。私はもう苦しまない」といった投稿もしていた。
取材によれば、キム・セロンさんが生前に知人から借りた金は少なくとも12億ウォンに達する。人気アイドルグループのメンバー2人と歌手の友人1人からは、それぞれ1億ウォンを借り、別の歌手からも2回にわたって計2000万ウォンを借りていた。正確な金額は不明だが、彼女の苦境を知って支援した芸能人は他にも2人いるという。
また、あるアイドル系ラッパーからも多額を借りたと周囲に話していたとされ、これらの借金はすべてキム・セロンさんの家族名義の口座に振り込まれていたという。
さらに、彼女が住んでいた前払保証金5000万ウォンの住宅も、ある教育会社の幹部が貸していたものであり、昨年契約を結んだ所属事務所からも手術費や治療費として6000万ウォンを借りていた。
これらの金が実際に何に使われたのかは確認されていない。
一方、遺族は今年3月、YouTubeチャンネル「カロセロ研究所」を通じて「セロンが家族に養われていたという話や、数百億ウォンを家族が浪費したという話は、見るに堪えない虚偽の報道だ。生活費を受け取ったことはない」と否定している。
(c)MONEYTODAY