
韓国のポータル大手ネイバーは、大統領選挙を前に、保守系の歴史教育団体「リ・パク・スクール(Rhee Park school)」によるコメント操作の兆候を一部検出したと明らかにした。
ネイバーと、与党「共に民主党」のチェ・ミニ(崔敏姬)議員=国会の科学技術情報放送通信委員長=によると、ネイバーはこのほど「リ・パク・スクール」が動員したとされるコメント部隊「自手軍(自由の手指で国を救う軍隊)」が5月、ある全国紙の記事に書き込んだコメントを「反応急増」として検知した。
ネイバーは4月から「利用者反応急増検知機能」を導入しており、大統領選期間中に特定のコメントへ共感や非共感が集中する“座標攻撃”(集中クリック)を速やかに発見し、不正な操作を防止している。
ネイバーがこの機能で検知したコメントは12件で、該当コメントを含む記事については、記事を掲載した報道機関および利用者に通知された。どのコメントかの具体的な言及はなかった。
ネイバー関係者は「通常のコメントでも急激な反応増加を理由に特定して通知すると“座標攻撃”の防止という本来の趣旨が損なわれる。記事単位で通知しても、共感順に並べ替えれば、どのコメントに反応が集中したかは分かる」と説明した。
ネイバーは5月、「自手軍」の指揮役とされる「ウロクメン」というニックネームの人物が書いたコメントを検知した。この人物は、5月7日に掲載されたある全国紙の記事で、当時の「共に民主党」大統領候補だったイ・ジェミョン(李在明)氏を誹謗する内容のコメントを投稿し、同月31日に削除したことが確認されている。
ネイバーでは、1つのIDで1日最大20件までコメント投稿が可能で、共感クリックも最大50回までに制限されている。「リ・パク・スクール」は、こうした制限を回避するため、複数のネイバーIDを作成し「自手軍」メンバーに配布していたとされる。
同一のコンピューターから1人がIDを切り替えて「共に民主党」関係者を中傷するコメントを書き込み、共感数を操作して上位に表示させ、世論を誘導しようとした疑いがある。
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