韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が1日、就任後初めて迎えた「三・一独立運動」(1919年)記念式典演説で「日本は安全保障・経済分野で協力しなければならない相手」と呼びかけ、対日関係改善に向けた意欲を改めて強調した。
ソウル市中区のユ・グァンスン(柳寛順)記念館で同日午前、1300人余りが参加して「第104周年三・一節記念式」が開かれ、ユン大統領と妻キム・ゴニ(金建希)氏らが出席した。
就任後初めての「三・一節」であり、ユン大統領がどんなメッセージを出すかに注目が集まった。ユン大統領は就任後、日本との関係改善の意欲を繰り返し明らかにしており、この日の記念演説もその流れは変わらなかった。
ユン大統領は「三・一運動から1世紀が経った今、日本は過去の軍国主義侵略者から、韓国と普遍的価値を共有して安全保障と経済、そしてグローバルアジェンダ(議題)で協力する協力パートナーに変わった」と述べた。
さらに「特に複合危機と、深刻な北朝鮮の核の脅威など安保危機を克服するための韓米日間協力がいつにも増して重要になった。われわれは普遍的価値を共有する国家と連帯して協力し、世界市民の自由の拡大と世界での共同の繁栄に寄与しなければならない」と呼びかけた。
ユン政権はこれまで、北朝鮮の核の脅威などに対応するため、米韓同盟をはじめとする日韓米の安全保障協力強化の重要性を強調してきた。最近、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射など挑発レベルが高まるなか、3カ国の堅固な協力の必要性を改めて指摘した。
一方、演説では元徴用工問題などの懸案については言及しなかった。
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