韓国で専攻医らが政府の医学部増員の方針に反発し、集団で辞職届を提出してから1カ月が経った。医学部教授らも辞職を強くにおわせるなど事態は深刻化している。こうした状況に気をもんでいるのは重症の患者たちだ。
18日午前、ソウル市鍾路区(チョンノグ)のソウル大学病院。普段なら多くの患者で待合室は一杯だが、この日は窓口7つのうち3つが閉まり、受付・支払い待ちも「0人」。院内はひっそりしていた。
がん病棟4階の短期病棟は電気が消え、閉鎖状態。ある患者は「病棟閉鎖出入り禁止、出入りすれば法的責任を問う」と書かれたドアの文言を不審そうに見つめていた。
がんの妻のため蔚山(ウルサン)から上京した60代男性は「医師が患者らにとってどれほど大きな存在かわかっているのか。患者らを見捨てるとは話にならない」と憤った。
肝臓がんで10年間通院している患者は、記者から教授の集団辞職のニュースを聞くと目を丸くして「教授に聞いてみなければならない」と立ち上がった。大多数の患者は「まさか」という表情を見せた。
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