
韓国の貿易収支が16カ月ぶりに黒字に転換した。輸入の大幅な減少による不況型黒字のため、景気の回復とは言えないが、価格下落傾向が長期間続いていた半導体が回復しつつあり、今年後半の輸出拡大に向けた期待感が高まっている。
産業通商資源省の「2023年6月輸出入動向」によると、6月の輸出は542億4000万ドル(約7兆7050億円)、輸入は531億1000万ドル(約7兆5500億円)で、貿易収支は11億3000万ドル(約1600億円)の黒字だった。
輸出は前年同月比6.0%、輸入は11.7%それぞれ減少していた。今年前半の輸出は前年同期比12.3%減の3073億ドルだった。世界的な景気回復の遅れや最大輸出品目である半導体業況の不振などの影響だ。
前半には263億ドルの貿易赤字を記録したが、6月だけを見ると原油や石炭などエネルギー輸入が大幅に減少する一方で自動車や一般機械の輸出が増加し、黒字を記録した。
輸出減少率は今年に入って最も低い水準を記録した。1月に16.4%減った輸出は毎月10%台の減少率が続いていたが、6月には6.0%に下がった。
輸入額は輸出額の減少を補って余りある大幅な減少を記録した。ロシアのウクライナ侵攻で暴騰したエネルギー価格が次第に安定傾向を見せていることが一役買った。
また、半導体輸出下落幅も小さくなっており、今年後半の輸出伸長に対する期待感も出ている。自動車がエコカーやSUVなどの輸出拡大に支えられ、12カ月連続で増加を記録している点も大きい。
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