韓国で先月、製造業の雇用が10カ月連続減少したうえ、こうした流れがしばらく続くだろうという分析が出ている。最近、製造業の生産と輸出が改善されるとはいえ、雇用増加につながるにはまだ力不足であるためだ。
さらに、産業競争力の弱化など構造的要因を踏まえれば、長期的にも以前ほどの増加傾向を期待することは容易ではない見通しだ。
統計庁国家統計ポータル(KOSIS)によると、10月の製造業就業者数は前年同月比7万7000人減少したことがわかった。これで1月から10カ月連続減少傾向が続いている。一方、同期間、就業者の総数は3カ月連続で増加幅が拡大し、34万6000人増加した。
特に製造業の雇用減少幅は4カ月連続で大きくなっている。7月の製造業就業者は3万5000人減少し、8月には6万9000人、9月には7万2000人、先月には7万人台後半の減少幅だった。
9月の製造業を含む鉱工業生産は前年同月比3.0%増加した。10月の輸出は前年同月比5.1%増加し、1日平均輸出額も26億2000万ドルで同期間7.6%増加した。それでも製造業の雇用減少が続く理由は、まだ雇用を増やすほどの長期的成長傾向が見られないためだ。
製造業など鉱工業生産は昨年より増加したが、ここには昨年の生産があまりにも良くなかったために現れるベース効果が反映されている。
昨年、鉱工業の生産増加幅が減り始めた。同年9月には0.1%増加し、10月から今年8月まで11カ月連続で減少した。したがって、雇用が増加するほど製造業が良くなったと見るのは早い。
輸出増加率もまた10月に入ってプラス(+)に転じたが、昨年10月から今年9月までの1年間、マイナス(-)を記録したため、回復の影響が雇用増をもたらすには微々たる水準だ。
延世(ヨンセ)大学経済学部のソン・テユン教授は「製造業で一部生産が増加したことは事実だが、長期的な産業改善展望は見られず、実際に改善されても人材雇用を増やす程の投資はされていない。輸出も改善されたというが減少幅が縮小されてきたので雇用増加は現れていない」と分析した。
(c)news1