2025 年 4月 25日 (金)
ホームライフスタイルビューティー韓国・美容医療の主導権をめぐる激しい攻防…韓方と西洋医学の深い溝

韓国・美容医療の主導権をめぐる激しい攻防…韓方と西洋医学の深い溝

昨年4月14日、ソウルで開かれた「2024美容医療機器博覧会」=写真は記事の内容とは関係ありません(c)NEWSIS

韓国で皮膚・美容医療市場を巡る医師と韓方医(韓国伝統医学の医師)の対立が激しさを増す中、韓方医院に対する“低い星評価(レビュー)”が発生し、論争に発展している。韓方医師団体は「一部の医師が関与した組織的で悪意ある行為だ」と批判し、これに対して医師団体は「事実を歪曲し、医療界全体を冒涜している」と強く反発した。

皮膚施術を手掛けるある韓方医院に対し、大量の低評価レビューが投稿され、そこに複数の医師が関与していたことが報じられた。

これを受けて大韓韓方医師協会(韓方協)は「医療人同士の誹謗中傷を禁じる法整備」を求めるとともに、大韓医師協会(医協)内の「韓方対策特別委員会(韓方特委)」の解体を要求した。

韓方協は9日に発表した声明で「当該韓方医院には1時間で約100件の1つ星レビューが投稿され、そのうち6件の投稿者が名誉毀損で告訴され、警察調査の結果、4人が医師(うち1人は公衆保健医)だった。根拠もなく韓方医療を貶める医療界の組織的な行為が明らかになったことは衝撃的だ」と非難した。

また韓方協は「医療職同士の誹謗中傷は国民の医療界に対する不信を招き、不要な社会的資源の浪費につながる。法的整備を通じてこうした行為を防ぐべきだ。医療界は深い反省のもと、今後は韓方界と国民の前で生まれ変わった姿を見せるべきだ」と訴えた。

これに対して医協は11日、「一部医師による個人的な行動を、あたかも医療界全体による組織的行為のように主張するのは事実の歪曲であり、即時の謝罪を求める」と声明を発表した。

韓方特委は「韓国の医療制度は西洋医学と韓方医学が並立する“二元的医療体制”であり、両者はそれぞれの専門分野に基づいて診療すべきである。一部の韓方医院が法的に許可されていない医療行為を手掛けていることは、患者の適正な医療受診権を侵害する」と批判した。

さらに「韓方医学の非科学的要素に対して問題提起し、安全性と有効性の検証を求めるのは、専門団体として当然の責務である。韓方協が謝罪しなければ、虚偽事実の流布や名誉毀損で法的対応を検討する」と明らかにした。

昨年も両者の対立は、美容医療機器を巡って発生していた。ソウル市韓方医師会が全国の韓方医を対象にした「美容施術教育センター」を設立すると、医協は「韓方医院による美容機器の不法使用に対して刑事告発する」と警告していた。

皮膚・美容医療市場を巡るこの対立の背景には、同市場の年間規模が3兆ウォン(約3300億円)を超える大きなビジネスであり、保険適用外の自由診療が多いためだ。高収益を求めて、医師だけでなく韓方医も積極的に参入している現実がある。特に、近年経営難に直面している韓方医院が、成長著しい美容市場に活路を見出そうとする中で、主導権を巡る対立が激化している。

(c)NEWSIS

RELATED ARTICLES

Most Popular