2025 年 5月 3日 (土)
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韓国・現代&起亜、売上高が過去最高も営業利益減少…ハイブリッド車が牽引

ソウルにある現代自動車・起亜本社(c)news1

韓国・現代自動車(ヒョンデ)と起亜(キア)の2025年1~3月期(第1四半期)連結売上高が合計72兆ウォンを超え、四半期として過去最高を記録した。高価格帯のハイブリッド車の販売増加とウォン安・ドル高による為替効果が売り上げ成長を後押しした。

ただ、営業利益は減少。両社の第2四半期は、米国による関税措置の影響が本格的に反映される見通しで、注目が集まっている。現代自動車グループは、グローバル生産拠点の再編と部品の現地調達によって関税の影響を最小限に抑える方針だ。

現代自動車と起亜によると、両社の2025年第1四半期連結業績は、売上高72兆4253億ウォン(前年同期比+8.3%)、営業利益6兆6421億ウォン(-4.8%)。営業利益率は9.2%で、前年同期から1.2ポイント低下したが、依然としてグローバル完成車メーカーの平均(約5%)を上回る水準を維持している。

企業別では、現代自が売上高44兆4078億ウォン(+9.2%)、営業利益3兆6336億ウォン(+2.1%)を記録。起亜は売上高28兆175億ウォン(+6.9%)、営業利益3兆86億ウォン(-12.2%)だった。

記録的な売り上げの背景にはハイブリッド車の躍進がある。第1四半期の両社のグローバル販売台数(卸売ベース)は約177万3000台で、前年同期比0.3%増。このうち、環境対応車(EV・ハイブリッドなど)は38万6426台で24.5%増。内訳は、電気自動車(EV)が12万台(+34.0%)、ハイブリッド車(プラグイン含む)が25万5000台(+21.0%)。

企業別では、現代自が100万1120台(-0.6%)、起亜が77万2648台(+1.6%)。環境対応車は、現代自が21万2426台(+38.4%)、起亜が17万4000台(+10.7%)だった。

現代自は「新興市場の販売減少にもかかわらず、ハイブリッドなど高付加価値車種の比率拡大で質的成長を続けている」と説明。起亜も「ハイブリッド車など高付加価値車種への顧客需要が増え続けている」とした。

また、1ドル=1453ウォン(前年同期比+9.4%)の為替効果も売り上げ増加に寄与した。

ただ、起亜の営業利益が減少したことで、両社の合計営業利益も減少した。起亜は「前年の北米市場でのEV9本格販売による販売構成の影響、主要市場でのインセンティブ水準の低基準効果などで収益性が低下した」と説明している。

第2四半期は、米国の関税政策の影響が本格化するタイミングだ。4月3日から、米国は輸入自動車に25%の関税を課しており、5月3日からは自動車部品にも適用範囲が拡大される。

現代自動車グループは、生産拠点の再編と部品現地調達で対応中。今月、グループ全体で関税対応タスクフォース(TF)を設立し、起亜メキシコ工場で生産していた米国向け「トゥーソン」を米アラバマ工場に移し、カナダ向け車両をメキシコ工場に移すなど柔軟に生産ラインを調整している。

また、米国市場向け車両は、現地生産を増やすことも検討しており、関税施行前に完成車と部品をできるだけ出荷し、北米市場に約3.1カ月分の在庫を確保した。

ジョージア州に建設された新工場「HMGMA」は、年産能力を30万台から50万台に拡大。電気自動車だけでなくハイブリッド車も生産する。現代自アラバマ工場(36万台)と起亜ジョージア工場(34万台)と合わせ、米国での年産能力は120万台に達し、昨年の米国販売台数(170万台)の約70%をカバーする見通しだ。

(c)news1

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