2026 年 2月 7日 (土)
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韓国・李在明大統領が投げかけた「砂糖負担金」…健康増進の裏で物価逆風への懸念

28日、ソウル市内の大型スーパーに陳列された砂糖製品(c)news1

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が1月28日、「砂糖負担金」の導入可否を公に問い、関心が集まっている。国民の健康増進や地域・公共医療の強化を目的に掲げた一方、家計の物価を押し上げかねないとの懸念も出ている。

大統領は、負担金収入を医療体制へ再投資する循環モデルを示した。しかし、企業がコストを販売価格に転嫁すれば、物価上昇や低所得層の負担増につながる点が争点だ。

関係省庁によると、イ・ジェミョン大統領は同日午前、Xに「たばこ同様、砂糖負担金で砂糖使用を抑制し、その財源を地域・公共医療の強化に再投資する。皆さんの意見は?」と投稿し、世論調査を紹介した。

海外では、砂糖を含む食品の製造・輸入・流通・販売を担う企業に負担金を課す事例が広がっている。ノルウェー(1981年)、サモア(1984年)、フィジー(2006年)、フィンランド・ハンガリー(2011年)、フランス(2012年)、メキシコ・チリ(2014年)などが導入済みだ。世界保健機関(WHO)が2016年に導入を勧告して以降、英国やフランスを含む120超の国・地域が砂糖税・負担金を採用しているとされる。

韓国では2021年、当時のカン・ビョンウォン議員(共に民主党)が、添加糖飲料を対象に糖分含有量に応じて100リットル当たり最低1000ウォンから最大2万8000ウォンの負担金を課す法改正案を提出したが、十分な審議に至らず任期満了で廃案となった。

大統領が用いた表現は「砂糖税」ではなく「砂糖負担金」だ。税が一般財源であるのに対し、負担金は特定目的に限定した財源となる。たばこが代表例で、価格には各種税に加え、購入者のみが負担する国民健康増進負担金が上乗せされている。

イ・ジェミョン大統領も使途を「地域・公共医療」と明示し、国民健康という目的を前面に出しつつ、財源確保の正当性を強める狙いとみられる。延世大学のキム・ジョンシク名誉教授は「健康被害を理由に負担金を課す流れは先進国でも一般的だ。完成品か原料段階か、課し方の設計が重要だ」と指摘する。

一方、砂糖の使用範囲は広く、対象や範囲次第で実質的な増税効果を生みかねない。所得に関係なく同額を負担するため、低所得層ほど負担が重くなる「逆進性」も問題視される。低所得層が砂糖を多く含む加工食品への依存度が高い点も懸念を後押しする。

物価への影響も避けにくい。企業に課したとしても最終的に価格へ転嫁される可能性が高く、炭酸飲料、菓子、パン、アイス、ゼリー、キャンディーなどへ対象が広がれば、上昇圧力は一段と強まる。

(c)news1

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