2024 年 10月 16日 (水)
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韓国・採用面接、女性志望者にいまだに「踊ってみて」「歌え」

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韓国全羅南道(チョルラナムド)全州(チョンジュ)の、ある信用組合の採用面接で、面接官たちが女性志望者に「踊ってみて」と要求するなど職務と関係のない質問と要求をした事実が国家人権委員会(人権委)の調査で明らかになった。採用過程での性差別を防ぐために制度が整えられているが、実効性に欠けるという指摘が出ている。

人権委の調査によると、昨年2月、全州のある信用組合で実施された最終面接で、面接官たちは女性志望者に「〇〇科なら才能があるだろうね」「ダンスを踊ってみて」と面接場所で歌とダンスを要求した。

この過程で面接官が他の職員に「最近流行っている歌をかけろ」と言うと、担当職員は志望者に「ゼロツー」を知っているのかと尋ね、志望者は「扇情的な踊りの振り付けがある歌だということは知っている。けれども、歌は知らない」と答えたうえ、遠回しに「入社後、会食の席でお見せする」と断ったという。

面接官たちは「歌もうたえますか?踊ってみたらどうでしょう。」「ジャンルは演歌も『シングアゲイン(オーディション番組)』も、民謡もあるけど何でもいい」と伝えたという。この志願者は採用面接で不合格になった。

人権委は「女性に雰囲気を盛り上げる役割を求めるのは性差別的文化あるいは慣行と認識から始まった行為。深刻な性差別の典型だ」と指摘した。

採用面接過程での性差別的質問が出て問題になったのは今回が初めてではない。

2020年11月、東亜(トンア)製薬の下半期の新入社員採用面接で、女性志望者に「女性は軍隊に行かなかったので男性より月給を少ない点についてどう思うか」「軍隊に行く考えがあるか」などの質問をした事実が明るみになり、問題となった。

採用手続き法は、求人者が求職者に対し▽職務遂行に必要でない容貌・身長・体重など身体的条件▽出身地域・婚姻しているかどうか▽財産――などの情報を、基礎審査資料(入社志望書、履歴書、自己紹介書など)として要求してはならないと規定している。だが、同法は基礎審査資料上の性差別的要求だけを禁止しており、面接質問はこれに該当しない。

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