
韓国大統領選挙の幕が下りた今、政界ではすでに来年6月3日に実施される統一地方選へ向けた準備が進んでいる。特に仁川(インチョン)地域が注目を集めている。
今回の大統領選では、「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)氏が全国で49.42%の得票率で当選した。特に仁川地域では過半数の51.67%を得票した。民主党候補が仁川で50%以上を獲得したのは初めて。この結果から、来年の地方選で民主党が有利な展開を見せる可能性が高いとみられている。
こうした流れは、前回のムン・ジェイン(文在寅)政権下でも見られた。2017年のパク・クネ(朴槿恵)氏の弾劾後、ムン大統領が誕生し、その1年後の地方選では、仁川市長をはじめ、江華郡を除くすべての区・郡首長選で民主党が圧勝している。
政治評論家のパク・サンビョン氏は「大きな番狂わせがない限り、民主党が来年の地方選で勝利する可能性が高い。来年には内閣も安定し、イ・ジェミョン政権が最高潮を迎えているだろう。民主党公認であれば、致命的な欠陥がない限り当選が有力だ」と分析した。
仁川市長選に向け、民主党内で有力視されているのが、同党院内代表であり「親李在明系」とされるパク・チャンデ(朴賛大)議員だ。パク・チャンデ氏は党内支持を背景に昨年、院内代表に事実上の推戴で就任。非常時対応やユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の弾劾問題などでイ・ジェミョン大統領と足並みを揃えた戦略を展開してきた。
ただし、パク・チャンデ議員が今後の党代表選に出馬したり、入閣する場合は仁川市長選の候補から外れる可能性が高く、その動向が選挙全体の構図を大きく左右すると見られている。
パク議員以外にも、2014年から市長候補として名前が挙がってきた3選のキム・ギョフン議員、公認会計士出身で同じく3選のユ・ドンス議員らも候補として取り沙汰されている。
一方、保守系の最大野党「国民の力」では、現職のユ・ジョンボク市長が3選を目指して再出馬する可能性が高いとされる。
仁川政界の関係者は「民主党ではパク・チャンデ議員の動き次第で候補者構図が固まる。前回同様の圧勝を狙う民主党内で、激しい公認争いが展開される可能性が高い」と話している。
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