韓国通信大手SKテレコムが自社のメタバース「イーフランド(ifland)」のグローバル進出を本格的に推進する。韓国の移動通信3社の中でメタバース市場を先取りしており、ネイバーメタバース「ゼペット(ZEPETO)」に続き、グローバル市場での地位を固めたい考えだ。
メタバース事業にやや遅れて参入した通信大手のKTとLGユープラスは、SKテレコムとは異なる道を模索している。SKテレコムがK-POPコンテンツSNSのような「エンターテインメント」に重点を置いている半面、両社はメタバースをホームサービスあるいは特定ターゲットを狙ったプラットフォームなどとする計画のようだ。
SKテレコムはイーフランドを北米、欧州、中東、アジアなど49カ国で同時発売すると明らかにした。イーフランドが発売されてから約1年4カ月で本格的に海外市場攻略に乗り出すことになった。
イーフランドのグローバルバージョンは日本語、英語、中国語を使って、手軽な体験のためのグローバルラウンジ、多様な肌の色のアバターなどを導入している。SKテレコムは大陸別の主要通信事業者と手を組んで、各地域に特化した機能も搭載することにした。
特に日本の場合、1位の通信事業者であるNTTドコモと、メタバース・通信インフラ・メディア事業など3大分野同盟を強化している。これにより両社のメタバースプラットフォームを連結してコンテンツを共同制作する方法まで検討するという。
この間、イーフランドが韓国国内サービスでも、人気アーティストのコンサートなど多様な公演コンテンツで好評を得ている。K-POPもグローバルサービスの重要なコンテンツになるとみられる。グローバル発売を記念して毎週多様なK-POPライブコンテンツが公開され、オリジナルK-POPコンテンツである「ザ・ファンライブトークオン」、K-POP練習生グローバルオーディション、グローバル新人アイドル育成などもイーフランド内で開催される。
◇KT、独自のメタバース「ジニーバス」発売来年へ
KTはメタバースプラットフォーム「ジニーバス(Genieverse)」を来年初めに公開するものとみられる。KTは当初、ジニーバスの年内発売を掲げていたが、結局、年越しになった。
KTは今年、社内の職員を対象にジニーバス・ユーザー・アルファテストを実施した。来年1月中に一般客を対象にオープンベータを実施した後、最終商用化を検討する。
ジニーバスはKTが保有している1300万人の有料放送加入者を基盤に運営される。一般的なメタバース機能であるコミュニケーション、エンターテインメントなどを完全に排除するわけではないが、ホームツイン基盤のメタバースサービスとして誕生する可能性が高い。
特に、ジニーバスと、ユーザーが実際に使っているKTサービスを連動させる。KTの主要事業分野である人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)などとの連結が予想される。ジニーバス内でAIと会話をしたり、家庭内IoTを管理するやり方だ。
KT融合技術院AI2XL研究所のペ・スンミン所長は今年初め、AI戦略と共にジニーバス発売計画を発表して「ホームサービスを中心に、生活に密接したメタバースでジニーバスを構成している」と明らかにした。
ジニーバスのほかにも、KTは会議、教育、セミナー、コンファレンスなどの活動を支援するメタバース基盤コミュニケーションソリューション「メタラウンジ」サービスも準備している。メタバース内でユーザーが便利に資料を共有し、コミュニケーションできるようにする方針だ。メタラウンジは現在、内部テスト中であり、年内の発売を目標にしている。
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