韓国ネット大手カカオがグローバルコンテンツ競争力強化のために大手芸能プロダクション「SMエンターテインメント」の株式持分買収に乗り出す一方で、人気グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所HYBE(ハイブ)がSMの筆頭株主になり、経営権競争が激化した。HYBEがSM持分を最大25%まで公開買収すると発表したことで、K-POP市場再編に向けた「マネーゲーム」が本格化する。
◇SM買収を狙っていたカカオ、第2の大株主に浮上
カカオは7日、SMエンターテインメントの持分9.05%を確保したと発表した。カカオは長期間、SMとの協力を議論した結果、第3者有償増資と転換社債買収を通じて持分を確保すると明らかにした。持分買収規模の総額は2171億5200万ウォンだ。
SMの発行可能株式数は4000万株だが、このうち第3者割当有償増資可能株式数は1200万株だ。現在まで発行した株式数が1077万株に達し、現定款で許容する第3者割当有償増資株式数は123万株に過ぎなかった。定款上、発行可能株式数の30%まで第3者割当有償増資が可能なためだ。これに対し、カカオは有償増資と転換社債買収を並行する方式で持分を確保したという。
当初、カカオはSMの総括プロデューサーだったイ・スマン氏が保有していた持分(18.45%)を買収する案を議論してきたという。この過程でイ・スマン氏は、経営権プレミアムを最大限保障する投資家に持分売却を進めることを目標にしてきた。しかし行動主義ファンドであるアラインパートナーズがイ・ソンス代表取締役側と「共同戦線」を組んだため状況が急変したものと見られる。
アラインパートナーズは昨年の株主総会でイ・スマン氏との票対決で勝利したのに続き、イ・スマン氏の独走をけん制してきた。その後、現SM代表であるイ・ソンス、タク・ヨンジュンの共同代表はアラインパートナーズの提案に合意し「SM3.0」を発表した。
この時まではカカオがSMの取締役会に入って、現経営陣とアラインパートナーズが主導する支配構造改善に力を入れると予想されていた。アラインと現経営陣が確保した持分率が約20%前後と推定されるため、持分が18.45%のイ・スマン氏側との票対決で勝つ可能性が高くなったという判断によるものだ。
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