2024 年 5月 18日 (土)
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韓国スパコンが解いた「気候変動と人類進化」(下)

アクセル・ティンマーマン氏©news1

◇初期人類が愛した「地中海気候」

今回の研究は▽初期人類が好んだ気候条件▽人類種の形成に影響を及ぼした気候の役割――などを究明するために進められた。

研究チームが明らかにしたのは――古代人類種はそれぞれ異なる気候環境を好んだ。なのにその生息地が天文学的な気候変動(2万1000年~40万年の周期で発生)によって変化していたこと――だ。

天文学的な変動とは「地球の自転軸と公転軌道の変化によって、地球が受ける太陽エネルギーの量が変化し、それが気候の変動につながること」を意味する。

まず、研究チームは過去200万年の間、変化する気候や食料資源に、人類がいかにして適応してきたかを説明した。

200万~100万年前、初期のアフリカ人類は、安定した気候条件を好み、特定の地域だけに生息した。

ティンマーマン氏は次のように説明する。

「古代の人類が、南アフリカや地中海気候の地域に住んでいたことは明らかだ。高緯度で寒い欧州、アジア地域には、より限られた人類だけが生存できた。寒い場所で人間が生存するには、特定の道具や狩猟の技法に適応できる能力も、大きな影響を及ぼしていたようだ」

80万年前の氷河期以降、ホモ・ハイデルベルゲンシスは、より広範囲の食料資源に適応した。そうした事情から、ハイデルベルケンシス種は、欧州や東アジアの遠い地域にまで到達できたとみられる。

さらに研究チームは、他の人類種が接触して、同じ生息地に混在できるか調査した。その結果、5つの集団の系図を導き出し、現代の人類である「ホモ・サピエンス」が、30万年前のアフリカ個体群である後期「ホモ・ハイデルベルケンシス」に由来する種であると推定した。

今回の研究で再構成された気候に基づく血統は、遺伝子情報や人類化石に基づく分析から得た最近の推定値と類似した結果となった。

ティンマーマン氏は「今後の研究では、こうした遺伝子モデリングを進め、過去の気候変動が人類の遺伝子の多様化に及ぼした影響をシミュレーションするつもりだ」と話している。

◇200万年間の地球環境・人類適応を盛り込んで…未来予測の土台を築く

今回の研究は、人類の起源に対する根本的な疑問を解決するため、気候モデルシミュレーション資料を活用したという点で大きな意味がある。そのために、基礎科学研究院(IBS)のユン・ギョンスク研究委員は、スーパーコンピューター「アレフ」(Aleph)を使って歴代最高の気候システムモデルシミュレーションを完成させたのだ。

これは、過去200万年の地球環境の歴史を扱う最先端気候モデルを使用した、最初の連続型シミュレーションだ。

ティンマーマン氏は「今回の研究により、『気候シミュレーションモデル』がいかに正確であるか、過去データによって立証された。それがわかったことで、われわれが将来、未来の気候を予測するモデルも生み出す可能性が高い、ということを改めて確認した」と強調した。そのうえで次のように警告している。

「人類の祖先が、移住することによって気候変動に適応したように、現在の人類も下手すると、地球の気候の変化によって、別の場所に移住しなければならなくなるかもしれない」

©news1

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