2024 年 7月 27日 (土)
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韓国ゲーム業界、グローバル進出の指針に「完成度の高いゲームの現地化」

ベデスダ「スターフィールド」(c)KOREA WAVE

韓国ゲーム業界が最近、グローバル市場進出の際、「ゲーム現地化」に改めてスポットを当てている。現地化の完成度によって、そのゲームの成否が分かれるという評価も出ている。

その事例として挙げられているのは、米国のゲームメーカー「ベセスダ・ソフトワークス(Bethesda Softworks)」が開発したXbox用オープンワールドアドベンチャーゲーム「スターフィールド(Starfield)」だ。

スターフィールドは公開後、開発の進捗状況が知らされるたびに大きな反響を呼んだゲームだ。「フォールアウト」や「エルダー・スクロールズ」シリーズなど大作オープンワールドゲームを手掛けてきたベデスダのノウハウが集約されている。

スターフィールドは▽材料を集め、自ら設計して自分だけの宇宙船を作る▽これに乗って惑星を行き来する▽各惑星はそれぞれ異なる文化と環境を持つ――など宇宙を探検する楽しさを備えた。

だが、スターフィールドの発売後、韓国市場での関心は高まらなかった。ベデスダがグローバル10カ国語の字幕を用いる際、ゲーム産業の規模・利用者数ともに韓国に及ばないポーランド語を支援する一方、韓国語が抜けていたためだ。

実際、Xbox利用者の間ではスターフィールドに対する否定的な反応が広がっており、「ゲームの不買運動を展開しなければ」という声さえ出ている。

スターフィールドの事例は、ローカリゼーションの重要性を認識させる事例だ。たとえ大作であっても、現地化の度合いによって利用者の関心が大きく左右されるということだ。

日本で発売されたブルーアーカイブ(c)KOREA WAVE

一方で、言語を翻訳するレベルにとどまらず、コンテンツとマーケティングまで現地化するという戦略を持ち、グローバル市場に接近するゲーム会社が増えている。あるゲーム業界関係者は「実際、そうした会社が好成績を上げる事例もある」と指摘している。

代表例が韓国のゲーム開発会社「シフトアップ(SHIFT UP)」の「勝利の女神:NIKKE」や「ネクソンゲームズ(NEXON Games)」の「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」だ。

これらは日本のゲーム市場で、現地声優を起用した音声吹き替えや人気IP(知的財産権)とのコラボを通じて市場への関心を引くなど、徹底した現地化を通じ、好成績を収めた。

実際、両ゲームは日本でアプリマーケット売り上げ1位を記録している。特にブルーアーカイブは、IPを活用したアニメーション制作発表、フィギュアメーカーとコラボした製品の発売など、ゲーム外でもIP拡張を成功させている。

ゲーム業界関係者は「数年前までは、韓国ゲームが日本モバイルゲーム市場で売り上げ1位を記録するのは不可能だという認識もあった。だが、徹底した現地オーダーメード型戦略を立てた両ゲームの事例が、こうした固定観念を打ち破り、現地化の重要性をさらに浮かび上がらせた」と評価している。

同関係者によると、ブルーアーカイブは中国での発売を控えているという。現地化をどう進めるのか、現地のオーダーメード型マーケティングとコンテンツはどのような形で構成するのか、「ゲーム業界が関心を持って見守っている」(同関係者)という。

(c)KOREA WAVE

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