
韓国の私教育費(塾・習い事などの教育支出)が過去最高を記録した。小・中学生の段階から「先取り学習」に追われる現実が広がる中、EBSのドキュメンタリー番組「ドキュプライム――勉強不安」は、学区(学群地)で生じる過度な競争と子どもたちの不安を取り上げた。
10月13日放送の第1部〈学区地ストレス〉では、“名門学区”という環境が生徒に与える異常な学習負担と、その中で追い詰められる学生たちの心を描いた。
番組には、国語講師のユン・ヘジョン氏、数学講師のチョン・スンジェ氏、俳優のポン・テギュ氏が出演。彼らが現場を訪れ、生徒や保護者の声を直接聞きながら、韓国教育の現実を見つめる。
番組では、学区である安養・坪村(ピョンチョン)に引っ越してきた中学1年生の家庭を追う。成績優秀だった小学生が、進学校進学を目指して塾に通い始めた結果、午後10時まで続く授業と国・英・数の大量の宿題に追われ、就寝は午前2〜3時。平均睡眠時間は5時間に満たず、授業中に居眠りをすることもあるという。
母親が「塾を辞めよう」と提案しても、子どもは「みんな頑張っているのに、自分だけやめたら遅れる」と不安を訴える。番組では、学区競争が子どもたちに与える心理的圧迫をリアルに映し出す。
特に「数学の先取り学習」が最大のストレス。入塾テストで20点台を取って落ち込み、塾の合格ラインが30点にも満たないことに驚く。数学講師チョン・スンジェ氏は「塾があえて試験を難しく出題し、“早く始めないと遅れる”という不安をあおる“恐怖マーケティング”をしている可能性がある」と分析する。
保護者らは「非学区地にいると不安、学区地に行っても競争が不安」と板挟みの状態だ。番組は、学区熱に翻弄される家族と、極限のストレスにさらされる子どもたちの姿を通して、韓国教育の“病理”に迫る。
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