2024 年 12月 8日 (日)
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韓国の核燃料、輸出まであと一歩…性能検証の最終段階に突入

韓国原子力研究院が開発した高密度低濃縮曲面型板型核燃料集合体(韓国原子力研究院)(c)KOREA WAVE

純粋な韓国の技術で開発した核燃料が、輸出に向けた最終性能検証段階に突入する。検証完了時に初めて、韓国産核燃料の海外輸出の道が開かれる。

韓国原子力研究院は20日、ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)と共同で開発している「高密度低濃縮ウランシリサイド板型核燃料」の性能検証の第2段階に入ったと明らかにした。

高密度低濃縮ウランシリサイド板型核燃料は「核不拡散」のために開発された第3世代核燃料で、ウラン密度が高く、高出力・高性能研究炉で使用する。通常、高性能研究炉には高濃縮ウランが使われる。しかし、SCK・CENは国際的な核不拡散政策に基づき、保有する高性能研究炉「BR2」に合う高密度低濃縮ウラン核燃料を開発し、使用することを決めた。現在、米国、フランス、韓国がBR2核燃料開発プロジェクトに参加している。

研究院は、科学技術情報通信省の「研究炉板型核燃料輸出核心技術開発や実証事業」の一環として、最近、ベルギーで「BR2」の平板型核燃料に関する第1段階の性能検証を完了した。ウランの70%以上を燃焼する極限状態でも放射能漏れがなく、核燃料が健全に維持され、安定性に優れていることを立証した。

第2段階では、平板型核燃料板を実際に「BR2」で使用される曲面型に加工し、適切に燃焼するか実験する。曲面型核燃料集合体は、ウラン核分裂時に発生する中性子を中心部に集められ、中性子密度をさらに高めることができる。

ベルギーで第2段階の性能検証のための核燃料集合体の装塡式に臨む研究グループ(韓国原子力研究院)(c)KOREA WAVE

現在、研究炉用高密度低濃縮ウランシリサイド板型核燃料の製造技術を保有している国はフランス、米国、韓国だけだ。韓国の低濃縮ウランシリサイド板型核燃料は、破砕粉末を使用する他の国とは異なり、安定性がより高い「遠心噴霧核燃料粉末製造技術」を使って製造される。

遠心噴霧核燃料粉末製造技術は、最大摂氏2000度の高温の真空状態でウランシリサイドを溶かし、高速で回転する円板の上に噴射して遠心力を利用して微細で均一な粉末を大量に生産する技術だ。95%以上の粉末収率を示し、不良率が低く価格競争力に優れている。

今回始まった第2段階性能検証は、事実上、核燃料供給市場に参入する前の最終試験だ。検証に成功すれば、BR2への核燃料供給入札資格を獲得できる。そうなれば、韓国が作った研究炉用核燃料を海外に輸出する機会を得ることになる。供給会社として落札されれば、年間300億ウォン以上の経済的効果も見込まれる。韓国が国内研究用原子炉「ハナロ」のための核燃料を2004年にカナダAECLから輸入して以来、20年で輸出国となるのだ。

ハナロ利用研究団のキム・ミョンソプ団長は「核燃料製造に対する高い理解と積極的な投資により、短期間で輸出用高密度低濃縮ウランシリサイド核燃料板や曲面型核燃料集合体を開発できた。今回のベルギーSCK・CENとの共同研究を通じ、核燃料市場全体を包括できる製造能力を確保する」と述べた。

(c)KOREA WAVE

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