2024 年 12月 31日 (火)
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韓国のタクシー配車サービス、自社加盟の運転手を優遇…公取、26億円の処分

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韓国のタクシー配車サービス「カカオモビリティ」が加盟運転手を不当に優遇していたとして、公正取引委員会はこのほど、公正取引法の市場支配的地位乱用を理由に暫定で課徴金257億ウォン(約26億8000万円)の賦課処分を下した。市民の間ではカカオ側への憤りと同時に、無料サービスが中断されるのではないかと憂慮する声も上がっている。

公正取引委員会は、カカオモビリティが2019年3月から2020年4月、一定時間内に客をピックアップできる加盟運転手がいれば、それより客を早く乗せられる非加盟運転手が近くにいても、これを差し置いて加盟運転手に優先配車する特典を与えていたと判断した。

カカオモビリティが提供するプラットホーム「カカオT」は圧倒的に市場を支配している。公正取引委員会の発表では、一般呼び出し市場でカカオモビリティの仲介件数占有率は2021年時点で94.46%を占める。

ソウルの大手企業に勤めるキムさん(30)は「近くに空車が多数見えているのに、10分以上かかるタクシーが配車され理解できなかった。時間が迫り慌てたケースは一度や二度ではなかった」と嘆いた。

ソウル市鍾路区(チョンノグ)から江南区(カンナムグ)まで通勤でタクシーに乗るキムさん(29)は「遠い距離にあるタクシーばかり捕まるので、呼び出しを取り消したら『連続した“呼び出し取り消し”により、24時間呼び出しサービスを利用できない』というアラームが出てきてあきれた」と憤慨する。

処分を受けて、カカオTの一般タクシー無料呼び出しサービスが中断されるのではないかという懸念も出ている。

ソウルから帰宅の際に無料呼び出しを利用する京畿道(キョンギド)龍仁市(ヨンインシ)のユンさん(33)は「市場支配力の乱用は問題だが、アプリでタクシーを無料で呼び出すのは楽。カカオモビリティが行政手続きをよく踏んでサービスを維持してほしい」と話した。

早朝出勤で時々タクシーに乗るシンさん(27)は「明け方に道でタクシーを捕まえるのは面倒。無料呼び出しサービスを引き続き利用したい。カカオモビリティは今回を契機にサービスを改善しなければならない」と指摘した。

一方、カカオモビリティは今月10日の段階で「無料呼び出しの廃止は予定していない。外部の意見を傾聴し、利用者と運転手の利便性を高められるよう考えている」と説明している。ただ、長期的には事業再編を検討できるという観測も出ている。

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