2024 年 12月 22日 (日)
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韓国のゴルフ場「高すぎる」…財布の紐締まり、売り物山積み

11月13日、京畿道で開かれたLG SIGNATURE PLAYERS CHAMPIONSHIPでギャラリーが8番ホールに集まっている(KPGA提供)(c)news1

新型コロナウイルス感染による「特需」で、韓国でのゴルフ人口が増えている中、ゴルフ場の価格が急騰し、売却計画に支障が出ている。売り手が高値で売却を狙う一方で、買収する側の資金集めが難航しているためだ。

投資銀行業界関係者によると、京畿道(キョンギド)利川(イチョン)や慶尚北道(キョンサンブクド)亀尾(クミ)など全国10カ所余りのゴルフ場で売却計画が進行中だ。

今年上半期までは、ゴルフ場は「黄金の卵を産むガチョウ」とみられ、買収熱が高まった。ゴルフ人気の高まりで、コロナ以前に比べて利用料は2~3倍に急騰。首都圏はもちろん忠清北道(チュンチョンプクド)忠州(チュンジュ)や江原道(カンウォンド)洪川(ホンチョン)など「汎首都圏」のゴルフ場では、週末はもちろん平日の予約も難しいほど好況が続いた。低金利のため不動産市場が過熱し、ゴルフ場の売却価格が高騰した。

首都圏では最低でも「1ホール当たり100億ウォン(約10億円)」とされ、今年6月にはポスコグループ不動産管理会社「ポスコO&M」が、仁川(インチョン)松島(ソンド)ジャック・ニコラウスCCを1ホール当たり約160億ウォンで買収した。昨年3月に、セントロイドPEが買収した京畿利川サウス・スプリングスCCは1ホール当たり96億ウォンだった。

ジャック・ニコラウスCC(c)news1

価格高騰の流れを受け、売り手側がますます強気になっているようだ。洪川のクラブモウCC(27ホール)のオーナーであるモア建設とハナ金融は、カロン・インベストメントを優先交渉対象者に選定し、交渉を進めたが、2500億ウォン(1ホール当たり92億ウォン)の提案を断った。2020年末、斗山(トゥサン)重工業から1850億ウォンで買ったゴルフ場だが、700億ウォンの売却差益でも十分でないと判断した。

その後、状況は急変し、金利が急激に上昇。不動産市場は一気に冷え込んだ。海外旅行も自由になったことで、国内ゴルフ場の需要も下がり始めた。

ゴルフ場買収に向け、資金を提供していた金融会社や年金基金、共済会などの機関投資家も財布の紐を締めるようになった。金利引き上げの余波で買収資金が調達しにくくなり、M&A(買収・合併)業界は、高額のゴルフ場買収に二の足を踏むようになった。

ある5大証券会社の投資銀行担当本部長は「ゴルフ場買収関連の投資は最初から検討すらしないように」と指示したという。実際、地方のゴルフ場買収の交渉を進めていたPEF(私募ファンド)は投資家を確保できずに苦労している。

投資銀行業界関係者は「この数年間にゴルフ場価格が急騰した理由は、スポーツとしてゴルフ人気もあるが、市場の流動性が高まったことが大きい」と分析。「その後、投資業界の流動性が消えたが、依然としてゴルフ場投資はリスクが大きく、投資家を探すのは容易ではないだろう」と語った。

(c)MONEYTODAY

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