2024 年 6月 23日 (日)
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韓国で深刻化する「教員の権威」の侵害…萎縮する現職教師とその予備軍

ソウル瑞草区瑞二小学校で自殺した教師を悼む弔問客(c)news1

韓国で最近、小学教師が児童に暴行されて全治3週間の傷害を負ったり、小学1年の担任が自殺したりするなど、事件が相次いでいる。背景に一部の保護者の「悪質な苦情」など、教権(教員の権威)侵害があったと指摘され、教師予備軍の間でも懸念の声が上がっている。

「小学児童暴行事件の場合、暴行されながらも『大声を出せば暴力になる』という気持ちから、最後まで声を出せなかったのではないか。教権侵害問題は前から指摘されているのに、人がけがをしたり死んだりして初めて、関心がもたれる。とても腹が立つ」

ソウル教育大数学教育科の学生(23)はこう怒りをぶちまけた。そのうえで「先輩教師が働く現場を見たり、声を聞いたりしながら、教職を選択したことを後悔している」と吐露した。

任用試験を控えてグループ勉強会に参加する教育大生(23)も「子どもたちが私たちを暴力をふるおうとすれば、私たちは逃げるしかない。教師を守る最小限の仕組みもないという現実を知り、卒業しても任用試験を受けないという学友が多い」と語る。

現職教師らも、教権が失墜した教育現場の現実を深刻に受け止め、制度の改善を急ぐべきだと訴える。

水原(スウォン)のある小学校教師(27)は昨年、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を持つ児童の問題行動を制止して暴行を受けた。

「児童から教権を侵害された時、教権保護委員会が開かれるが、実際にはそれが開かれても大部分で処罰はなく、逆に開くことによって『児童虐待』を主張され、告訴される危険が高まる。一部の保護者は、教師が少しでも気に入らない行動を取れば、『児童虐待』申告という脅迫の手段と考える」

龍仁(ヨンイン)の学校で働く教師(31)の場合、他の生徒をはさみで脅していた生徒を注意したところ、その生徒から「先生も刺す」と脅迫された経験がある。

「生活指導をしている時、“告訴されるのでは”と恐れざるを得ない。これが最大の問題だ。学校側も問題をつくり出したくなく、もみ消したいという雰囲気がある」

この教師は「悪質な苦情と虚偽の児童虐待申告から教師を守るべきだ」と訴えた。

梨花女子大学教育学科のチョン・ジェヨン教授は「生徒の人権が重要であり保護されるべきなのは事実だが、いまはその制度が傾いている。保護者が学校に出入りする時に統制したり、担任の教師に会う前に別の教師を間に置いたりするなど、教師を保護する措置を取るべきだ」と強調する。

(c)news1

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