2025 年 7月 4日 (金)
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韓国で急成長「メンタルテック」市場…心の健康はアプリで管理する時代へ

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韓国では、過度な競争や孤独感からくる不安・ストレスが社会問題となるなか、自らの心の状態を積極的に管理しようとする人々が増えている。特に新型コロナウイルスのパンデミックを機に、精神的な健康を支える「メンタルケア」への関心が急激に高まり、スマートフォンアプリなどを活用した「メンタルテック」と呼ばれる新産業が急成長している。

あるホームショッピング企業の女性相談員は、顧客対応によるストレスで不眠を患い、アプリを通じて月2回、専門家とのオンライン心理相談を受けている。30分で5万ウォン(約5300円)という費用も「心にビタミンを与えるようなもの」と話し、生活に欠かせないルーティンだと語る。

米国の非営利研究機関・グローバルウェルネス研究所によれば、2023年の世界のメンタルケア市場は316兆ウォン(約33兆5000億円)に達し、2028年には562兆ウォン(約59兆6000億円)に拡大する見通しだ。特にアメリカでは、パンデミック以降、企業価値が10億ドル(約1446億円)を超えるユニコーン企業が一気に増加した。

韓国国内でも、「アトモス」や「フォティファイ」などのスタートアップが、専門家とのマッチングや心理相談を提供するアプリを展開しているほか、「ブルーシグナム」や「マボ」はセルフケア向けの瞑想アプリとして支持を集めている。こうした企業には300億~400億ウォン(約31億8000万~42億4000万円)規模の投資が集まり、保険会社や通信大手もAIを活用したメンタルヘルスプラットフォームに進出している。

また、感情を記録し可視化するアプリ「ハルコン」や、心理状態のデータを分析してケアを提供する「マインドリンク」なども注目されている。中には、自殺リスクの予兆を検出できるとされるウェアラブル機器や、VRとモーションチェアを組み合わせたリラクゼーション医療機器を開発する企業も存在する。

ただし、専門家は「AIでは深刻な精神状態の緊急対応は困難」とし、メンタルテックはあくまで人間の専門家による治療の補助ツールとして利用されるべきだと警告している。心理的ハードルの低下や社会的偏見の緩和が進む一方で、技術の限界と安全性の確保が今後の課題となっている。

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