2024 年 12月 6日 (金)
ホーム社会韓国で増える「担任の先生が写らない」卒業アルバム…“顔の品評”から犯罪の懸念まで

韓国で増える「担任の先生が写らない」卒業アルバム…“顔の品評”から犯罪の懸念まで

ソウルの国民大学で開かれた「2023学年度前期学位授与式」(c)news1

担任教師と一緒に撮った卒業アルバムを見て、思い出に浸る。そんなことは韓国ではすでに過去のことになりつつある。写真に写ることを拒否する教師が増え、教育現場では、個人やクラスの要望に合わせたオーダーメード型のアルバムを製作するケースも目立っている。

かつて、卒業アルバムには、教職員から学生まで全員が写真に写り、個人連絡先や住所まで書かれていたが、時代に合わせて変化している。

ソウル地域の小学校では、卒業アルバムに教師の顔がないケースが増えている。ある小学校の校長は「以前は卒業アルバムに載っていた情報をもとに、恩師を訪ねて行くという話もよくあった。しかし、今は個人情報保護の問題や、犯罪への懸念から教師たちが写真や情報を出すのを控えているようだ」と語った。

京畿(キョンギ)地域のある小学校教師(34)も「2~3年前から、アルバム用の写真を撮る前、個人情報同意書に『同意しない』と書いている」という。その理由については「保護者の間で、教師のアルバム写真を回しながら品評することがよくあり、写真を入れたくなかった」と答えた。

2020年にソウル市教師労働組合が実施したアンケート結果では、教師10人中5人が、犯罪に巻き込まれたり、品定めに使われたりすることへの懸念から「卒業アルバムの廃止に賛成」と答えた。

卒業アルバムをオーダーメイドで製作する事例も増えている。

今年、ソウル地域の中学校を卒業するソ君(16)の卒業アルバムには、自分のクラスについては団体写真やクラスメートの写真が多数載っている。その一方で、他のクラスの生徒は顔写真と名前が載っているだけだ。

大学では、卒業アルバムの写真を撮らない文化が既に定着している。学校で学士帽を借りて個人として記念写真を撮ったり、友達同士でスナップ撮影をする場合がほとんどだ。

今年、卒業を控えたクォンさん(25)は「知らない人が写った卒業アルバムなんて買いたくない」とし、「費用が多少高くなっても、自分が主人公になれる写真をスタジオに行って撮った」と語った。

新型コロナウイルス感染拡大で、キャンパスでの人間関係が希薄になり、連帯感が弱まったのも影響しているとみられる。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular