2025 年 5月 15日 (木)
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韓国で前代未聞「大統領権限代行の代行の代行」体制…33日間は副首相が1人3役

2025年5月1日、政府ソウル庁舎で開催された社会関係閣僚会議で発言するイ・ジュホ(李周浩)社会副首相兼教育相(c)news1

韓国で前例のない「大統領権限代行の代行の代行」という異例の統治体制が発足した。ハン・ドクス(韓悳洙)首相に続き、チェ・サンモク(崔相穆)経済副首相兼企画財政相も辞任したことで、イ・ジュホ(李周浩)社会副首相兼教育相が大統領の職務を一時的に代行することとなった。

昨年12月にハン・ドクス氏の弾劾訴追案が国会で可決され、チェ・サンモク氏が87日間にわたり「大統領権限代行の代行」を務めた前例があった。今回はさらに一段階下の「代行の代行の代行」が現実となった。

イ・ジュホ氏は、5月2日午前0時から6月3日の大統領選挙で当選者が確定する翌4日午前まで、約33日間にわたり大統領権限を代行することになる。この間、イ・ジュホ氏は教育政策に加え、国家の基本方針と民生経済の安定運営に責任を持つ。

チェ・サンモク氏は1日夜、共に民主党など野党が国会本会議で自身の弾劾訴追案を上程しようとする動きを受け、午後10時28分に辞意を表明。直後にハン・ドクス氏が辞表を受理した。

ハン・ドクス氏はこの日午後に辞任を表明したが、任期は5月1日深夜24時まで。国会では本会議中にチェ・サンモク氏の辞表が受理され、訴追案の審議が中断された。

当初、チェ・サンモク氏が2日から大統領権限を代行する予定だったが、辞任により教育相のイ・ジュホ副首相にバトンが渡された。これによりイ・ジュホ氏は「社会副首相」「教育相」「大統領権限代行」の3つの職務を同時に担う「1人3役」を果たす異例の事態となった。

共に民主党は同日、同党大統領候補のイ・ジェミョン(李在明)氏に対する公職選挙法違反事件で、2審の無罪判決が大法院で有罪趣旨の破棄差し戻しとなったことを受けて緊急議員総会を開き、チェ・サンモク氏の弾劾訴追案を推進した。

これに対して与党「国民の力」は、「腹いせのような報復弾劾だ」として強く反発した。

弾劾訴追案は同日夜、共に民主党主導で国会法制司法委員会を通過し、ただちに本会議に上程された。

「大統領権限代行の代行の代行」体制は、韓国史上初の事態だ。昨年のハン・ドクス氏の弾劾以降、経済副首相が87日間大統領権限を代行したことも異例だったが、それをさらに超える構造となった。

憲法第71条は、大統領が「欠位」または「事故」により職務遂行が困難な場合、首相および法律に定められた国務委員が順次、大統領の権限を代行することを規定している。政府組織法第26条によると、現在の19省庁における序列は企画財政省、教育省、科学技術情報通信省、外務省、統一省の順となっている。

(c)news1

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