1日にバナナ1本を食べるサンダラ・パク、MBCの番組「私は一人で暮らす」で卵白半分を2分30秒で食べるアン・ソヒ――。この2人の共通点は1日に少量の食べ物を食べるということだ。このような映像を見て「食欲が抑制された」と面白がる人が多い。
果たして、少食習慣はメリットだけだろうか。チェ氏は「健康面では確かに食べ過ぎよりは少食の方が有利だが、少食を美徳と見るのは危険だ」と警告する。
例えば、外見に敏感な思春期の子供に少食が美化されれば「食べ物節制」を越えて「食べ物拒否」につながりかねない。これを間違って受け入れると、摂食障害の一種である「プロアナ(拒食症を肯定するという新造語)」につながりかねない。
逆に、大食座の習慣は健康にはどうか。「ミョンチギ」(麺をいっぱい箸に取り、一気に食べ干す)のように、おいしい食べ物を一気に食べる習慣は口を楽しませるが、胃腸疾患を招く近道になりうる。
チェ氏は「過食習慣が日常化したり、急いで食べる習慣があったり、刺激的な食べ物をよく食べたりすると、胃腸に炎症を誘発しやすい」と強調する。
速く食べ、カロリーが高いほど胃腸には負担がかかる。刺激的でカロリーの高い食べ物は、消化されるまで時間が長くかかるうえ、しっかり消化されず、胃もたれの症状があらわれることがあるからだ。
こうした症状が続くと、消化不良と腸炎にかかりやすい。たくさん食べてすぐ横になったり、身体活動が不足したりすると逆流性食道炎のような胃食道逆流疾患も引き起こす。
大食と少食習慣の危険性は、肥満度を表すBMI(ボディマス指数)と死亡率の関係を示すグラフ曲線から見いだすことができる。BMIが低すぎたり高かったりする時に「U」字型の曲線であらわれる。
ソウル大学食品栄養学科のイ・ジョンウン教授は「痩せすぎても太っていても死亡する危険が高い。自分の体に必要なカロリーがあるにもかかわらず、少なく食べることを美徳と考えてはダメ。極端な大食・少食はどちらも健康面で憂慮される」と注意を促している。
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