2024 年 7月 27日 (土)
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韓国「ベイビーボックス」に預けられる赤ちゃん…今年既に40人超

ベイビーボックス (c)MONEYTODAY

「愛するわが子……。今、直面している現実に勝てず、君を置いて行く。本当にごめん、愛してる」。ソウル市冠岳区(クァンアクク)蘭谷洞(ナンゴクトン)のチュサラン共同体教会。ここは2009年12月、韓国で初めて「ベイビー(ベビー)ボックス」が設置された場所だ。

ベイビーボックスは新生児の養育が出来ない場合、むやみに遺棄せず、こっそり置いていける場所として設置された。

新たな家庭が見つかるまで、子どもを一時的にここで世話をする。

記者が今月12日、チュサラン共同体教会を訪れると、これまで母親たちがベイビーボックスに子どもたちを預ける時に残した手紙が数百通あった。手紙には「お母さんはあなたのことをいつも思っているよ」「きっとこれからすごく会いたくなるよ」「良い家で誰よりもたくさん愛されて幸せになることを願う」などと書かれていた。

出生届の義務化が導入されてから10年が経った。だが、依然として生まれたばかりの子どもたちが、届を出されないまま捨てられている。昨年、チュサラン共同体教会ベイビーボックスだけでも、捨てられた子どもたちは100人を超えた。今年も1~5月、ここに預けられた子どもは計40人余りに上る。

◇病院以外の出産12.3%

赤ちゃんは保育園などの施設に送られたり、他の家庭に養子縁組されたりする。生みの親を説得して、元の家庭に戻ることもある。施設に行く割合が高く、2021年には113人のうち75人(66%)に上った。昨年は106人中65人(61%)が、今年は42人中29人(69%)だ。

ボランティアが週に1回ずつ訪れ、新生児の世話をする。その1人、ユン・ミジンさん(43)は「小さい子どもたちを見ると心が幸せになる」としながらも「10年後、20年後を考えれば、この子たちがちゃんと成長できるか心配だ」と危惧する。

ここを訪れる親たちは普通、自身の身元を明かして届を出すことができなかったり、経済的な理由で子どもを育てることができなかったりするケースが多い。妊娠と出産で学業を中断しなければならない10代、強姦や近親相姦で望まない妊娠をした人たち、不法滞在者らが代表的だ。

特に考試村(受験生が勉強する小部屋がある宿泊施設)やワンルームなど病院の外で出産する事例が増えているという。チュサラン共同体教会によると、昨年、ここに乳児を預けた女性のうち、病院の以外で出産した割合は106人中13人で12.3%だった。その割合は前年に比べて6.1%上昇している。

同教会のイ・ジョンラク担当牧師は「赤ちゃんを産んだばかりで、下血したまま来た人もいた。考試村で密かに赤ちゃんを産んで自殺しようとした母子もいる。公衆トイレに赤ちゃんを捨てていく場合もしばしばあった。病院の外で分娩をすると、どうしても出生届が大幅に遅れる可能性がある」と指摘する。

(c)MONEYTODAY

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