韓国の食品業界がクリスマスシーズンを狙ったマーケティングを本格化している。今年のキーワードは「限定版」と「コストパフォーマンス」だ。年末シーズンにのみ購入できる製品を強調しつつも、物価高を考慮してコストパフォーマンスを高めたのが特徴だ。
最近、韓国で消費の主体として浮上したMZ世代に新たな経験を提供するため、多様な限定版グッズの発売も活発化している。
◇典型例は「マックリブ」
限定版マーケティングは、供給を制限して需要を増やす手法だ。
たとえば、米マクドナルドが約40年前に販売したバーベキュー味サンドイッチ「マックリブ」。この商品を懐かしむ消費者の要望に応え、「決まった期間・場所・数量のみ製品を購入できる」として「限定版マックリブ」を販売すると、この宣伝文句に刺激された消費者が列をなした経緯がある。
クリスマスシーズンは、この限定版マーケティングが活発な時期だ。
韓国の食品業界は年末ムードにひたりたい消費者を攻略するため、この時期にだけ特別に発売される商品を前面に押し出し、今年の最後の商戦を有利に進めようとしている。
昨年は新型コロナウイルス感染の余波により、ホームパーティー族を狙った限定版マーケティングが多数展開された。今年も状況はあまり変わらないようだ。サッカーのワールドカップ(W杯)が今月中旬まで開催されており、ホームパーティー族も増えるとみられる。
◇ケーキ、希少性を前面に
クリスマスシーズンに最も売れる商品の1つはケーキだ。ベーカリーメーカーをはじめ、コーヒーフランチャイズ各社は、クリスマスシーズン限定の商品を発売する。
ベーカリーチェーン「パリバゲット(Paris Baguette)」はクリスマスの象徴である「ウィッシングツリー(願いの木)」をテーマにしたケーキを販売する。ウィッシングツリー商品は、白い雪が積もったツリーをイメージした「スノーウィッシングツリー」と、ケーキに緑茶粉をふんだんにかけた「緑茶ウィッシングツリー」などとして発売する。
このほか▽生イチゴをたっぷり載せたプレミアムイチゴレアチーズタルト▽強烈な赤色のオーナメント(飾り)を乗せてイチゴを調和させたルビーストロベリー生クリーム▽クリスマスを象徴する花であるポインセチアを形象化したブレッシングレッドベリー――などを売り出す。
◇コスパを前面に
コスパを前面に出したり、生クリームを活用したりしたクリスマスケーキも目を引いている。
「新世界フード」は、9980ウォン(約1032円)で味とビジュアルを同時に満足できる「コスパ神ケーキ」を披露した。イーマート内のイーベーカリーとブーランジェリー売り場では、アヒルキャラクター「ファンファンチュー」とコラボした「ファンファンチューミニ生クリームケーキ」を9980ウォンで販売する。
商品には忠清南道(チュンチョンナムド)論山(ノンサン)で栽培された高品質の「雪香(ソルヒャン)イチゴ」とファンファンチューの形で作ったチョコレートが乗せられている。またシフォンの上にホワイトチョコレートをかけ、干しあんず、クルミ、アーモンド、クランベリーなどのナッツ類をトッピングした「ふわふわシフォンケーキ」なども披露する。
「毎日乳業」のデザート専門関係会社「エムズベーカーズ(m’s bakers)」は「毎日生クリームバスクチーズケーキ」を発売した。商品は高温で表面を焼くように仕立て、もちもちした食感とスモーキーな香りを誇る。
毎日乳業の新鮮な生クリームをたっぷり乗せ、チーズと生クリームの調和を感じることができる。155グラムの小さな容量であるため、一人でも手軽に楽しめる。値段は5100ウォン(約527円)。
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