2024 年 11月 7日 (木)
ホーム経済流通“金の魚”になった「たい焼き」…韓国で値上げ、それでも消費者「おおむね理解」

“金の魚”になった「たい焼き」…韓国で値上げ、それでも消費者「おおむね理解」

ソウル・南大門市場近くのたい焼き屋(c)MONEYTODAY

10月25日午後、ソウル市中区南大門(チュング・ナムデムン)市場近くのたい焼き屋。20年以上売っている70代のキム・ジョンイムさんは、昨年までたい焼きを2個1000ウォン(約110円)で売っていたが、今年から3個2000ウォン(約220円)に値上げした。昨年まで売っていたクリームたい焼きは、材料価格が上がったため今年から販売を取りやめた。

「小麦粉の生地5キロが昨年1万1000ウォンだったが、今年は1万3000ウォンだ。味のバランスがよい生地と小豆あんなのでおいしく、材料価格が上がってもそのまま買うしかない」。キムさんはこう話した。

冷たい風が吹き始め、たい焼き、ホットクなど冬季の代表的なおやつが街のあちこちに登場している。例年と街並みは似ているが、価格は変わった。物価上昇が続き、人の流れの激しい地域では、たい焼き1個を1000ウォンで売っている。

70代の自営業者アン・ヨンレさんはこの30年間、中区の交差点前にある店で夏にはアイスコーヒーを、冬にはたい焼きを売っている。アンさんも今年、たい焼きの値段を3つ2000ウォンに引き上げた。

「小麦粉生地、クリーム、小豆、ガスなど店の維持費が10~20%上がったように感じる。幸い『なぜこんなに高いのか』と言って引き返すようなお客さんはほとんどいない。他のものも価格が大幅に上がったからだと思う」。これがヤンさんの実感だ。

ホットク屋も事情は同じだ。地下鉄4号線会賢駅5番出口につながる南大門市場の路地には、ホットク屋が4カ所にある。これらの店で売っているハチミツホットクの価格は1500ウォン。野菜やチーズなど他の材料が入った場合は2000ウォンだ。

今年4月からホットク販売を始めたという店主は「ホットク生地を工場から納品してもらうが、始めたころは10キロ当たり2万5000ウォンだったのが、今四半期に入って3000ウォン値上がった。物価が上がり続けたため、ホットクの価格も新型コロナウイルス禍前の1個1000ウォンから今は1500ウォンになった」と話した。

韓国農水産食品流通公社農産物流通情報(KAMIS)によると、たい焼きの主材料である赤小豆(輸入)の卸売価格は40キロ当たり27万4400ウォンで、20万6137ウォンの平年平均価格より33%ほど値上がりした。

たい焼きとホットク生地に入る小麦粉の価格もロシアによるウクライナ侵攻後、大きく上がり、侵攻前に比べ45%ほど上昇。砂糖、塩の価格も1年前に比べそれぞれ16.8%、17.3%上がった。

市民は値上がりしたおやつの価格に驚きながらも、物価上昇率を考慮すれば、おおむね理解するという反応を示している。

南大門市場前でたい焼きを買った30代の会社員は「路上のおやつなので軽い気持ちで買って食べようと立ち寄ったが、3個2000ウォンという値段を見て驚いた。たい焼きが3個1000ウォンだった時期もあったのに、路上のおやつの価格は大幅に上がったようだ」と話した。

(c)MONEYTODAY

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