2024 年 3月 4日 (月)
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車椅子で韓国地下鉄に乗ってみてわかったこと (上)

  現場ルポ  

忠武路駅1番出口。車椅子に乗ると、普段乗っていたエスカレーターも怖く感じられた©MONEYTODAY

日も暮れたある日の夕方、いつものようにソウル地下鉄3号線に向かう。忠武路(チュンムロ)駅1番出口のエスカレーターが、普段より高く見えた。車椅子は、すべてのものを見上げるように作られているようだ。出口から外に出てきた人々は、なぜか私を見つめているようだ。エレベーターはどこなのか――。途方に暮れる。

韓国で最近、障害者団体「全国障害者差別撤廃連帯」(全障連)が地下鉄乗車デモを展開して非難された。通勤の市民に、過度な不便を及ぼしたというのだ。電動車椅子の後輪を足で蹴った市民もいたという。市民らの不満が浮き彫りとなり、そもそもなぜ障害者たちがデモをせざるを得なかったのか、忘れられてしまったようだ。

記者が実際、車椅子に乗って、地下鉄に乗車してみた。これまで一度も車椅子に乗ったことのない、28歳の男だ。

忠武路駅において、車椅子で移動するためには、7番出口付近のエレベーターに乗らなければならない。車椅子の記者が地下鉄に乗るため、1番出口から約200メートルを移動してエレベーターに乗る様子©MONEYTODAY

◇どこからも出られない

車椅子のため、エレベーターを探さなければいけなかった。だが、それは、すぐには目に入らない。幸い、スマートフォンの地図アプリに、体の不自由な人向けの経路が案内されていた。エレベーターは、記者のいる1番出口から約200メートル離れた7番出口にあった。

歩道ブロックがでこぼこしているのを体で感じ取った。傾斜もあり、車椅子は何度も、右に寄ってしまう。ゆっくり進むしかない。50メートル先の横断歩道の青信号はあと20秒ほど。あきらめて、ゆっくりとハンドリム(手で回す際に持つ箇所)を回した。両足で走れば、渡ることができる。だが、車椅子では無理だ。

エレベーターに乗って地下1階に降りると、車椅子で通ることのできるドアは改札の中で最も遠く離れた場所にあった©MONEYTODAY

改札は地下1階のエレベーター出口から10メートルの距離にある。近かった。だが、車椅子が通ることができるような広々としたドアは、最も遠い場所にあった。両足で歩いている時、「どの改札を通るか」「どうやって改札を通るか」など、わざわざ意識しない。でも、車椅子で通り過ぎるのは難しい。片手で扉を開け、もう片方の手で車椅子を押さなければならなかった。

最終目的地である3号線乗り場は地下4階にある。駅構内でエレベーターに2回乗らなければならない。最初のエレベーターで地下1階から2階に下り、次のエレベーターに乗り換え、地下4階に下りなければならない。2つのエレベーター間の距離は約80メートルだ。

忠武路駅の地上から地下4階の3号線乗り場に行くにはエレベーターを乗り換えなければならない。二つのエレベーターの距離は80メートルもある©MONEYTODAY

忠武路駅はエレベーター間の距離が遠い方ではない。ただし、エレベーターを乗り換えるべきかどうかがわからず、動線を把握するのに時間がかかった。結局、忠武路駅1番出口を午後7時ごろに出発したが、3号線乗り場に到着したのはその30分後だった。

次の日、車椅子なしで歩いた時、10分ほどだった。

車椅子を利用する人は、この「エレベーター動線」を把握することが一苦労だという。

乗り継ぎのためのエレベーターをどこで乗ればいいのか、駅ごとに違う。例えば、地下鉄2・4・5号線が通る「東大門歴史文化公園駅」で4号線から2号線に乗り換えるには、最初のエレベーターで地下3階から地下1階に上がり、次に地下1階から地下2階に下りるエレベーターに乗らなければならない。

駅の外に出なければいけない場所もある。

忠武路駅の地上から地下4階の3号線乗り場に行くには、駅の中でエレベーターに一度乗り換えなければならない©MONEYTODAY

盧原(ノウォン)駅は、4号線は地上3階、7号線は地下3階にあるうえ、水平距離も遠い。車椅子で乗り継ぐには、まず片方の乗り場のエレベーターで駅の外に出て、そこから約310メートル移動し、もう一方の乗り場のエレベーターに乗らなければならない。電動車椅子でも10分は移動しなければならない距離だ。

©MONEYTODAY

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