2025 年 8月 2日 (土)
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脱北女性が金正恩総書記を告訴…韓国初の「人権侵害」刑事責任追及へ

脱北者であるチェ・ミンギョン氏=左から2人目(c)news1

脱北女性のチェ・ミンギョン氏が、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記らを相手取り、韓国の裁判所に人権侵害の責任を問う訴訟を起こした。北朝鮮の人権侵害を理由に脱北者がキム総書記を韓国で刑事告訴する初の事例となる。

チェ・ミンギョン氏は1997年に脱北し、中国で生活していたが2008年に強制送還され、北朝鮮の収容所で5カ月にわたり性的虐待や拷問を受けたと主張。キム総書記と国家保衛省関係者5人を、国際刑事犯罪法違反などの容疑で追及している。

訴訟を支援する「北朝鮮人権情報センター」は、被害者本人が告訴に立つ意義を強調するが、実効性への疑問も根強い。北朝鮮側が処罰されたり賠償金が支払われる可能性は極めて低いからだ。

それでも、北朝鮮を被告とする民事訴訟は近年増加。朝鮮戦争捕虜の遺族らが損害賠償を求めて訴訟を起こし、多くで原告勝訴となっている。ただ、実際の賠償にはつながっていない。韓国内の北朝鮮関連資金をめぐる訴訟でも、債権回収は困難を極める。

注目すべきは、2023年に国軍捕虜3人が起こした損害賠償訴訟で、裁判所がキム総書記に個人としての賠償責任を認定した点だ。韓国司法は北朝鮮を「反国家団体」と位置づけ、国家免除の原則適用を排除している。

こうした司法判断は南北関係に影響を及ぼす可能性もある。

(c)news1

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