2024 年 12月 30日 (月)
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縁組手数料、1件200万円 [KWレポート] 国際養子縁組の闇 (9)

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海外養子縁組を担当する韓国国内の機関は、依然として手数料で多大な収入を得ている。

キム・ソンジュ議員室が2021年国政監査当時に公開した政策報告書によると、国内4大養子縁組機関(ホルト児童福祉会、大韓社会福祉会、東方社会福祉会、聖家庭養子縁組院)が2012年から2021年上半期まで養子縁組を通じて得た収入は、約1890億ウォン(約200億円)に達する。

養子縁組機関の収入は、大きく政府支援、養子縁組手数料、養子縁組による後援金でまかなわれる。彼らは政府から児童保護あるいは養子縁組相談など、養子縁組手続きを遂行する過程で手当てを受け取るが、総収入で政府支援が占める割合は10%前後だ。

政府は養子縁組費用などの名目で、養子縁組成立件数により政府が許可を与えた養子縁組機関に270万ウォン、市・道の許可機関に100万ウォンを支援する。

このほか、養子縁組機関の収入の約90%(ホルト89.6%、東方87.2%、聖家庭93.2%)を手数料と後援金が占める。2020年の海外養子縁組1件当たりの手数料は、約2000万ウォン(約208万円)だった。

つまり、養子縁組機関の収入は、養子縁組件数と直結するため、養子縁組機関としては養子縁組を一つでも多く成立させようというように、構造設計されているのだ。

養子縁組機関は、手数料と後援金を養子縁組前の養育費、相談員費用、里親検証などにあてていると主張する。

しかし、崇実大学社会福祉学科のノ・ヘリョン教授は「既に養育費名目で政府が支援金を出しており、同じ名目の手数料や後援金は重複だ」と指摘。「国内養子縁組より海外養子縁組は手数料が約10倍も多い。海外養子縁組を養子縁組機関があきらめない理由も、そこにあるのだろう」と指摘した。

また、ハーグ国際養子縁組条約では、相手方の海外協力養子縁組機関を通じて手数料や後援金をもらうよう規定している。しかし、養子縁組機関の中には、相手の親から直接後援金を受け取るケースもある。

◇養子縁組機関、会計監査資料を依然として拒否

以前から、養子縁組機関は、海外養子縁組が減らない理由を「金のためではない」と強調している。国内養子縁組より海外養子縁組の方が、赤字が多いと反論する。

しかし、これまで明らかになった事実を総合すると、養子縁組機関が手数料ほしさに子供を海外へ養子として送り出しているという疑惑は残ったままだ。

キム・ソンジュ議員室が提供した政策報告書によると、養子縁組機関は、年が上の児童は、国内での養子縁組が難しいとして、海外に送るとしているという。しかし、統計上は3歳以上の児童は、国内養子縁組の件数が多い。

また、海外養子縁組は、健康優良児が占める割合が高い。子供を商品化しているという疑惑が浮上する理由だ。

一方、養子縁組特例法第38条に基づき、国政監査でキム・ソンジュ議員室が保健福祉省を通じて養子縁組機関の会計や監査報告書を要求したが、養子縁組機関は資料を提出しなかった。

報告書は、海外養子縁組が減らないのは、国内での養子縁組がうまく進まないためではなく、海外養子縁組手数料と後援金のためだと解釈するのが妥当だと結論付けた。

キム・ソンジュ議員室関係者は「養子縁組機関は、会計や監査に対する資料の提出を引き続き拒否している」として「手数料収入についても堂々と公開しなければならない」と強調した。

(おわり)

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