2024 年 7月 25日 (木)
ホーム経済半導体米国に傷つき、日本に密着した台湾TSMCに、韓国半導体が緊張するわけ

米国に傷つき、日本に密着した台湾TSMCに、韓国半導体が緊張するわけ [韓国記者コラム]

(c)AFPBBNews/news1

先日亡くなった日本の漫画家、鳥山明さんの漫画「ドラゴンボール」には「フュージョン」という技術が登場する。性質が異なる2人の人物が合体して両方の能力を備えるようになる技術だ。世界最大の半導体受託生産会社(ファウンドリー)である台湾積体電路製造(TSMC)の最近の対日投資の動きも、日本とのフュージョンに近い。他の国に比べて相対的に安い人件費、優秀な技術力と莫大な補助金を提供する日本を、自社の最先端工程の新たな拠点にするという構想だ。

当初、TSMCの有力なフュージョン対象は米国だった。自国の半導体産業の拡大を狙う米国は、TSMCや韓国サムスン電子など大型ファウンドリー企業はもちろん、ファウンドリー事業をしなかったインテルにまで半導体投資を促した。TSMCは直ちに、米アリゾナ州に53兆ウォン(1ウォン=約0.11円)を投入し、工場を建設すると発表した。米エヌビディアなど主要顧客との地理的距離、米政府が約束した補助金と協力会社の相乗効果などを狙った。

しかし、いざふたを開けると、TSMCの構想とは異なる流れとなった。米国内の強硬労組との確執、過度なTSMC依存度を懸念した米顧客企業の離脱傾向と高い建築費用が予想より大きな負担を与えた。さらに、ファウンドリー進出を宣言した自国企業のインテルやマイクロンはもとより、TSMCより投資規模の小さいサムスン電子も、同様の金額の補助金を受けるだろうという点が、プライドを傷つけた。台湾の業界関係者は「米国では部品と原材料を十分に手に入れることができず、熟練技術者も足りず良い投資先ではないという認識がある」と話した。

フュージョン対象を日本に変えたのもこのためだ。日本は地理的に台湾に近く、台湾の技術者を求めやすく、熟練した日本の技術者の確保も容易だ。また、米国に比べて人件費が安いうえ、日本政府が10兆ウォンを超える補助金を約束したという点もメリットだ。TSMCが最近竣工式を開いた熊本第1工場で、現地人エンジニアを募集する際に掲げた平均月給は300~400万ウォン水準だと知らされた。米国の半分の水準だ。

韓国の半導体が台湾・日本のフュージョンを注視する理由もここにある。台湾の先進ファウンドリー技術力と日本の優秀な素材・部品・装備の競争力が合わされば、予想より成長の勢いが速くなるという見通しから始まった。台湾業界が半導体を設計するファブレス(メディアテック)と架け橋の役割をするデザインハウス(GUC)、生産するファウンドリー(TSMC)に続き、素材・部品・装備の競争力まで備えることになれば原価節減・技術優位を確保することができる。

韓国の業界は、今も台湾に比べてファブレス・デザインハウスの競争力が落ち、日本よりは素材・部品・装備の競争力が低い。特にファウンドリー分野ではファブレス-デザインハウス-素材・部品・装備の生態系構築が必須だ。次第に広がるサムスンとTSMC間のファウンドリー格差も脆弱な生態系のせいだという懸念も出ている。トレンドフォースによると、TSMCの昨年第4四半期のファウンドリー占有率は61.2%で、サムスン電子(11.3%)と49.9ポイントの差がある。

新たなライバルが登場するという点も気がかりだ。日本のラピダスはTSMCと協力して2027年に2ナノ量産を目標にしている。先端工程である2ナノはサムスン電子がTSMCを抜く武器として出したカードだ。業界関係者は「まだ日本の半導体が2ナノ以下工程を高い歩留まりで生産できるとは見ていない」としながらも「台湾のファウンドリー技術力が移植されれば生産プロセスの高度化速度が速くなるのは問題」と指摘した。【MONEYTODAY オ・ジニョン記者】

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