◇「足並みの乱れ」
韓国コンテンツ振興院が主管した「2022年新成長ゲームコンテンツ制作支援事業」に、P2E(Play to Earn=稼ぐゲーム)の開発会社リングゲームズが選定された。これに伴い、リングゲームズが開発したP2Eゲーム「ステラファンタジー」は最大5億ウォン相当の製作支援金を受け取ることになる。
ところが、韓国でP2Eゲームは不法だ。
ゲーム物管理委員会がP2Eゲームを「ギャンブルゲーム」とみなし、韓国内の流通を禁止しているからだ。つまり、韓国政府の支援を受けて製作されるゲームが、韓国では発売できないということだ。
韓国文化体育観光省傘下の二つの機関がP2Eゲームを巡って“足並みの乱れる政策”を出し、ゲーム業界の混乱ばかりが募るとの指摘が出ている。
◇P2E「ステラファンタジー」、コンテンツ振興院の新成長ゲーム製作支援に選定
韓国ゲーム会社リングゲームズは先月31日、新作「ステラファンタジー」が、韓国コンテンツ振興院が主管する「新成長ゲームコンテンツ支援事業」のブロックチェーン部門に選定されたと発表した。
新成長ゲームコンテンツ支援事業は▽ブロックチェーン▽クラウド▽人工知能技術――に基づくゲームコンテンツ製作支援を通じて、韓国産ゲームの経済的強化を図るための事業だ。
今回事業に選定された「ステラファンタジー」は、2022年8月末のグローバル発売を目標に開発中のNFTゲームであり、最大5億ウォンの製作費が支援されることになった。
リングゲームズのユン・ジュホ代表は「楽しさを強調したP2Eゲームを通じてNFTの価値向上とWEB3ゲームの新しいモメンタムを披露したい」と明らかにした。
◇振興院「新成長ゲーム」、ゲーム委「ギャンブル性」
問題は足並みの乱れた政策だ。韓国文化体育観光省傘下の韓国コンテンツ振興院は、P2Eゲームを新成長ゲームに分類し、ゲーム当たり最大5億ウォンの事業費を支援している。
一方、同じくコンテンツ振興院傘下のゲーム物管理委員会はP2Eゲームを「違法」とみなす。利用者が暗号資産(仮想通貨)を両替することができ、「ギャンブル性ゲーム」と見なければならないという立場だ。
韓国文化体育観光省傘下の二つの機関が、P2Eゲームに対して異なる立場を示しているわけだ。結局、政府支援金によって製作されたP2Eゲームに、韓国の利用者が接近できないことになる。
政府の足並みの乱れた政策に、韓国ゲーム開発会社の悩みも深まっている様子だ。
ある中小ゲーム会社の関係者は「大統領選のころから政界でP2Eゲームの規制緩和の声が出てきたので関連事業を準備した。まだ政策的な変化がないのに希望ばかり抱き、結局、苦痛を受けて終わるのではないかと心配だ」と語った。
©news1