2025 年 7月 21日 (月)
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眠気覚ましが習慣化…青少年のカフェイン摂取に警鐘鳴らす韓国当局

コンビニで展開されている「青少年のカフェイン摂取を減らすキャンペーン」=食品医薬品安全処(c)news1

韓国の中高生の間で、勉強前や眠気覚ましにカフェインを摂取する習慣が定着しつつある。疾病管理庁の調査によると、週に3回以上高カフェイン飲料を摂取する割合は2015年の3.3%から2024年には23.5%へと急増した。

高カフェイン飲料は、100mlあたりカフェイン15mg以上を含有する飲料を指す。2023年の韓国消費者院の調査では、青少年の30%以上が毎日カフェインを摂取し、試験期間中はその量が2倍に増加する傾向があった。摂取源としては、コーヒー(42%)、エナジードリンク(31%)、炭酸飲料(18%)の順に多い。

最近では「眠気を覚ます」「集中力アップ」などをうたった高カフェイン食品、特にアマゾン原産の果実「ガラナ」を使ったゼリー類が出回っており、青少年の摂取量をさらに押し上げている。カフェの数や低価格商品も増加しており、入手しやすさが習慣化の一因とみられる。

しかし、過剰摂取は不安感、不眠、睡眠障害などの健康被害を招きやすい。さらに習慣性が強く、自覚のないうちに1日の推奨摂取量を超える危険もある。青少年のカフェインの1日推奨摂取量は体重60kg基準で150mgであり、コーヒー2杯やエナジードリンク2本で簡単に超えてしまう。

こうした中、食品医薬品安全処は「児童の食生活安全管理特別法」に基づき、すべての学校で高カフェイン食品の販売を禁止している。さらに2021年からは、特定期間に全国のコンビニで「カフェイン含有量を確認しよう」と訴える表示を続けている。

2025年5月からは、CU、GS25、セブンイレブン、イーマート24など全国のコンビニ5万4227店舗のレジ画面に「青少年の皆さん、飲料のカフェイン含有量を確認しましょう!最大摂取推奨量は体重1kgあたり2.5mgです」とのメッセージを表示。飲料棚にも広報物を掲示している。

また、コーヒーチェーン1600店やスタディカフェ159カ所、公共図書館の自動販売機や掲示板960カ所でも同様のポスターが掲示されている。年末までこのキャンペーンは続けられる。

さらに教育省と協力し、カフェインの副作用や摂取ガイドラインを盛り込んだ教材を学校教育で活用できるよう支援している。今年の秋夕(チュソク)連休には、有名YouTubeチャンネルなどSNSも活用して広報活動を強化する。

2025年1月1日からは、ガラナを含む固体食品にも「高カフェイン含有」の表示と注意喚起文の表記が義務化される。

食薬処は、こうした取り組みが青少年のカフェイン摂取の抑制に役立つと見ている。2023年に青少年33人を対象に実施した調査では、77%が「摂取を減らすのに役立つ」と回答し、87.9%が「警告表示を今後も継続・拡大すべきだ」と答えた。

(c)news1

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