2025 年 2月 11日 (火)
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発熱だけで「うちの子を見てください」 [KWレポート] 救急病院のたらい回し20年 (3)

(c)MONEYTODAY

今月初め、大邱にある上級総合病院の小児救急医療センターであったことだ。

午前11時、119番から患者移送の問い合わせがあった。「34カ月になる男の子が昨日の夕方から発熱し、救急室に来る」という内容だった。患者来院後、診療を受けたが、単純発熱だった。調べてみると、保護者が児童病院は待機時間が3時間なので、早く診療を受けさせたいというという理由で119番に電話して救急室に来たのだった。

昨年、発熱などの軽症で救急医療機関を訪れた患者数が約400万人以上であることがわかった。救急救命室の来院患者全体の半分以上を占める。単純な風邪や下痢の患者数は100万人以上で、前年比で2倍以上に増えている。

タイムリーに救急救命室に到着できず、患者が死亡する事故が相次いで発生する一方で、「軽症患者」による医療機関の過密化が原因として指摘される。

◇軽症患者の殺到で起きる救急救命室の「過密化」

保健福祉省などの資料によると、2022年に救急医療機関を訪れた患者数は769万4473人。このうち韓国型重症度分類(KTAS)レベル5等級判定を受けた患者数は108万6603人だった。レベル5は重症度が最も低く、風邪や腸炎、下痢などの症状がこれに該当する。

一方、2021年にレベル5等級判定を受けた患者数は53万186人だった。1年間で風邪などで救急救命室を訪れた患者数が2倍以上増えた。

これより一段階高いレベル4等級も、応急処置が必要という状況ではない。38度以上の発熱を伴う腸炎、肺炎、脊椎痛などが患者の代表的な症状だ。2022年に4等級に分類された救急救命室の患者数は302万567人だ。4・5等級を合わせた患者数は410万7170人、救急救命室全体の来院患者の過半数(53.4%)を占める。

こうした軽症患者が殺到して発生する最大の問題は、救急救命室の「過密化」だ。病床が不足し、本当に緊急措置が必要な患者が、集中治療を受けることができない。昨年、2万731人が救急救命室に来院したが、病室・重症患者室不足という理由で、他の病院に移らざるをえなかった。

(つづく)

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