2024 年 7月 27日 (土)
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病院連携の「コントロールタワー」的機能 [KWレポート] 救急病院のたらい回し20年 (6)

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「病床数不足」も救急室過密化の原因として指摘される。これは、新型コロナウイルスの影響が大きい。

嘉泉大学吉病院のヤン・ヒョクジュン圏域応急医療センター長は次のような見解を示す。

「ギル病院の場合、新型コロナウイルス感染の汎流行時期に病床間隔をさらに広げるために、既存の病床の10%ほどを取りのぞいたままだ。現在、新型コロナウイルス感染が終息しつつあるというが、今後どのような感染症が到来するかわからず、従来のように病床を再び、ぎっしりとセッティングすることはできない。追加の感染症の流行に備えて、この防疫体制で進むしかない。救急患者を病院として受け入れを拒否しているのではなく、収容不可の状態になったのだ」

事前に重症度を把握し、適切な病院が連携する「コントロールタワー」的な機能がないという点も課題だ。過去の救急受け入れ状況を参考にし、患者分類や病院間の調整をしていた「応急医療情報センター1339」に準ずる専門機関が必要だということだ。

1339は今、新型コロナウイルスなど感染症申告と疾病情報を提供する番号になっているが、2010年代初めまで1339は、一般・119救急隊を対象にした病院案内と病院間の電源業務を総括する管制センターの番号だった。

医師・看護師、教育を受けた専門人材が、緊急状況にリアルタイムで対応した。現在、政府が設置を議論している病院間の転院中心の「救急医療状況室」より拡張された概念である。

釜山大学病院救急医学科のチョ・ソクジュ教授は「どの病院に行けばいいのかわからない一般患者、収容できる病院を探してさまよう119番救急隊、個人的な親交などの限られた情報で転院を依頼する医師の不便を、すべて解消できる1339のような『第3の機関』が必要な時だ」と強調する。

◇医療を統合的に扱う部署

医師でさえ、患者が軽症なのか重症なのかを一目で判断するのは難しい。問診・視診・促進と血液検査やX線、CT、MRIのような画像検査を実施する必要がある。

病院に来る前、あるいは既に受け入れた患者の重症度を決定することは医療法違反とも直結する。責任が伴う「過少評価」より、安全な「過剰診療」を選ぶしかない。

まして医学知識が足りない一般人と119救急隊は「とりあえず大きな病院に行こう」という考えが支配的だ。大型病院の「応急室過密化」が解消されない背景の一つだ。軽症患者の病床を重症患者に開放しろという政府・与党の案は、机上の空論と映る理由でもある。

救急医療システム対策のコントロールタワー不在に関し、残念な声も出ている。

「応急医療対策の根本的な問題解決には、待遇の低さと、専攻医特別法施行などによる必須医療人材不足から取り組む必要がある。応急医療対策を保健福祉省救急医療課で受け持っているが、必須医療領域は応急医療課の業務領域から外れている。医療界全般を統合的に扱うことができる部署で、応急医療対策を担当すべきだ」

ヤン・ヒョクジュン氏はこう訴えた。

(おわり)

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