2024 年 12月 9日 (月)
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激化する「ミニストップ」買収劇――新世界、ロッテが相次いで参戦

  現場ルポ  

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韓国コンビニ5位「ミニストップ」(2600店)買収の有力候補に、ロッテグループ傘下「セブンイレブン」(1万1000店)と新世界グループが運営する「イーマート24」(5800店)のライバルが名乗りを上げ、緊張感が高まっている。ミニストップを手に入れた側が、コンビニ大手「CU」(1万4923店)や「GS25」(1万4688店)との競争に打って出ることになるからだ。

◇「セブンイレブン」対「イーマート24」

業界関係者によると、ミニストップ売却の入札には、ロッテと新世界、PEF運用会社「アンカー・エクォティ・パートナーズ」が加わり、三つ巴の様相を呈している。

ミニストップ買収劇へのイーマート24の参加は、既定路線という空気が強かった。店舗数ではまだ、1位のCU、2位のGS25に大きく引き離されている。ミニストップを買収できれば、一挙に規模を拡大できる。コンビニの自律規約による制限が3年延長されたことも買収意欲をさらに高めさせた。

イーマート24は加盟店方式ではなく、月会費納入方式で運営されており、店舗数の急拡大は困難だった。このため最近、月会費方式ではなく、加盟手数料(ロイヤリティ)方式による新しいフランチャイズモデルの導入にも乗り出した。これはミニストップ買収を視野に入れたものだ。

セブンイレブンも同様に、店舗数の拡大に力を入れる。セブンイレブン運営するロッテグループ傘下コリアセブンは2020年、85億ウォンの営業損失を計上した。

コンビニ本社の業績は店舗数に直結する。店舗を多く保有すれば、物流費や人件費を含め、さまざまなコストを削減できる。このためセブンイレブンには店舗数をさらに増やすことで業績の反転を図りたいという思惑がある。コンビニ業界関係者も「店舗数が多ければ協力会社と有利な立場で納品価格を交渉できる。大型スーパーが消費者に安く販売できるのと同じだ」と解説する。

◇再契約の約5000店

ここで大きな「変数」がある。今年、契約解除を迎えるコンビニだ。その数は約5000店に上るといわれる。再契約を結んで同じ看板でコンビニ運営を続けるか、別のブランドの店にしてコンビニを継続するかを判断することになる。

こうした店の看板が取り替えられれば、1位のCUと2位のGS25の順位は逆転することになる。両社は数年間、店舗数を争ってきただけに、プライドをかけて競争に乗り出すとみられる。

セブンイレブンもミニストップ買収に加え、ライバル店を多数吸収できれば、トップグループ入りも視野に入る。

イーマート24も黒字転換に向け、早期に店舗数を増やす必要に迫られており、再契約店舗の吸収に積極参入すると予想される。実際、イーマート24は地道に店舗数を増やして業績を改善しており、営業赤字は2019年の281億ウォンから2020年には218億ウォンに20%以上減らしている。

あるコンビニ業界の関係者は「再契約を控えた店主は収益性をまず考慮する。ライバルブランドが有利な条件を提示するなら、乗り換えを拒む理由はない」とみる。このため、業界では2000~3000億ウォンを投資してミニストップを買収するより、積極的に再契約店舗を吸収したほうが効率的だとの分析もある。それなら巨額の費用を負担せずに店舗数を増やせる。

一方、韓国のコンビニ店舗が5万店に迫った状況で、これまでのような競争は無意味だとの見解も出ている。今後の成長に対する期待感が乏しいためだ。別のコンビニ業界関係者は「過去には、ライバル企業の店を引き寄せるため支援金を“攻撃的”に支給した。だが最近、コンビニ事業の収益が全般的に悪化しているなかで、過去のような血を出すような競争を繰り広げるのは容易ではない」と解説する。

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