2024 年 7月 27日 (土)
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法の網・プラットフォーム規制避けるコツ [KWレポート] 韓国AIルネサンス (5)

プラットフォームに流通しているイメージ。身体切断などのキーワードが含まれているが、年齢制限やダウンロード制限はなかった(サイト画面のキャプチャー)(c)news1

生成AI(人工知能)を使ったイメージ・映像を製作するサイトでは「セクシーな服装」「偶発的露出」などのキーワードを含む扇情的な映像も販売されている。身体切断などトラウマを誘発し得るコンテンツも、年齢制限なしに流通している。

ユーザーは、特定のコミュニティに集まって収益化の方法を積極的に共有している。日本の創作絵コミュニティサイトピクシブ(pixiv)にAIを活用したわいせつ物を1日平均10個程度アップすれば、登録者を1日1000人ずつ確保できるという。

このように確保した登録者から金を受け取る。

法の網とプラットフォームの規制を避けるコツも共有する。

あるコミュニティで、ユーザーは「成人が制服コスプレをしたと主張してもユーチューブでは規制を受ける。児童や未成年者、制服には触れないようにしてコンテンツをアップしろ」と助言する。

別のユーザーは「AIが描いたコンテンツ自体が著作権や財産権を認定されていない。(特定モデルをモチーフにしても)特に問題はないだろう」と断じる。

◇「 ルールを整備しなければならない 」

このようなことが続くと、利用者の間では悪用を警戒しなければならないという意見が多い。インスタグラムなど個人SNSにアップされた写真が、AIのわいせつ物コンテンツの材料になったケースもあり、拒否感がさらに強まっている。

このため、生成型AIによる創作物に否定的な動きも見られる。5月27日、台湾のインディーズゲーム製作会社「レイアーク」は、同社のゲームがAIを使用しているとして、ファンの激しい抗議を受けた。

中国ネット大手「騰訊控股(テンセント)」が配給したパズルゲーム「白夜極光」も、同様の問題でファンの不買運動に発展した。不買運動が続くと、製作会社はAIを使わないと発表した。

利用者だけでなく、クリエイターもAIの副作用に懸念を示す。

米ハリウッドの作家らが所属する米脚本家組合(WGA)は5月、ゼネストに突入した。AIや類似技術を使って生成された資料の使用を規制すべきだと訴えている。

一般社団法人「日本芸能従事者協会」もAIが働き口を奪いかねないと批判の声を上げた。俳優、音楽家らで作る同協会は、自身の作品などがAIに実際に使われた例を公開し、活動や原作者の権利が守られるようなルールを整備しなければならないと指摘した。

(つづく)

(c)news1

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