2026 年 3月 13日 (金)
ホーム社会氷点下20度の厳寒、防寒着にホットパック、そして自律中止権…韓国・宅配業界の“寒波対策”最前線

氷点下20度の厳寒、防寒着にホットパック、そして自律中止権…韓国・宅配業界の“寒波対策”最前線

1月23日午前、ソウルの世宗大路交差点を通り過ぎる市民ら(c)news1

韓国で最低気温が氷点下20度まで下がる厳しい寒さの中でも、止まることなく稼働している現場がある。こうした寒波の中でむしろ物量が増えるのが「宅配」だ。

宅配の仕分けや積み下ろしを担うハブセンター(物流センター)は、車両と荷物が絶えず出入りする構造のため、屋根と左右の壁はあるものの、前後の扉は開放されており、まるでトンネルのような形状になっている。その通路を、肌を切るような冷たい風が吹き抜ける。

さらに、本格的な配送が始まる前に仕分け作業を終えなければならないため、作業は主に未明に進められる。一日の中で最も気温が低い時間帯だ。

連日続く強い寒波を受け、宅配ドライバーの労働環境への懸念が高まる中、業界は緊急対応に乗り出している。

韓国政府は寒冷障害の予防のため、建設現場など一部の屋外作業場に対し作業時間の調整を勧告しているが、配送時間や物量が事前に決められている宅配現場では、同じ方法を適用するのは難しいとの指摘も出ている。

雇用労働省は最近の寒波で寒冷障害のリスクが高まったことを受け、建設現場など屋外作業場の作業開始時間を午前6時から9時に遅らせ、屋外作業を可能な限り最小限にするよう勧告した。

これは労働者の寒冷障害リスクを減らし、安全を確保するための措置で「寒波安全5大基本ルール(防寒着・休憩所・温かい飲み物・作業時間調整・緊急時119通報)」に基づくものだ。寒さに長時間さらされると、低体温症や凍傷などの寒冷障害、脳・心血管疾患が発生、または悪化する恐れがある。

しかし、宅配業の特性上、配送スケジュールが固定されているため、同様の対応を取るのは容易ではない。

これに対し、宅配業界は政府勧告とは異なる形で、各社の事情に合わせた自主的な厳冬期対策を用意している。

CJ大韓通運は、猛暑期と同様に厳冬期にも宅配ドライバーに自律的な作業中止権を付与している。天候状況や健康状態に応じて配送を一時中断しても、不利益やペナルティは課さない方針だ。配送遅延が生じても、個人の責任にはしないという趣旨である。

韓進(ハンジン)も現場の労働環境改善に重点を置き、インフラ投資を拡大した。昨年7月、大田メガハブターミナルに約100億ウォンを投入し、冷暖房設備を大幅に増設した。新たに導入された設備は性能が向上しており、現場人員が集中して働く空間を中心に効率的な冷暖房効果を発揮できるよう設計されている。労働環境の変化に応じて拡張も可能な構造だ。

また、冬季の現場従事者の健康と安全のため、防寒衣類や充電式カイロなどの個人用防寒用品も提供している。

ロッテグローバルロジスティクスも厳冬期に備えた物資支援を実施した。宅配ドライバーや現場職員など約1万8000人を対象に、携帯用ホットパック36万個を配布した。1人当たり約20個に相当し、寒波の中で屋外作業を余儀なくされるドライバーの体温維持を支援するための措置だ。このほか、宅配ドライバーの健康状態を継続的にチェックし、安全で健康的な勤務環境づくりに力を入れている。

業界関係者は「最近のような強い寒波が続く場合、現場労働者の安全と健康管理が何より重要だ」とし、「配送効率も大切だが、厳冬期には無理な作業を避け、現場状況に応じた柔軟な対応が必要だ」と話している。

(c)news1

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