
韓国で記録的な猛暑が続くなか、全国の湖でアオコ(藍藻)の大発生が起きており、首都圏の水源にまで影響が及んでいる。特に昭陽湖(ソヤンホ)・平沢湖(ピョンテクホ)・大清湖(テチョンホ)など、主要な水資源地が緑色に染まり「水の安全」への懸念が高まっている。
取材を総合すると、連日続く猛暑と水温上昇によりアオコの拡大が進行しており、長期的には飲料水の供給リスクにもつながるという。
特に昭陽湖では、首都圏の重要な水源である漢江(ハンガン)へと流れ込む湖として、2023年まで3年連続でアオコが観測されている。空から見ると、湖面が芝生のように見えるほどの緑色に変色しているという。
環境工学の専門家である梨花女子大学のパク・ソクスン教授は、アオコの発生には「栄養塩類・日光・水温」の3条件が必要だとし、最近の豪雨で流れ込んだ農業用肥料が猛暑と組み合わさり、アオコが大量発生しやすい状況をつくっていると指摘した。
気象庁によると、昭陽湖のある江原道春川では7月の猛暑日数が17日と、2018年の記録に迫っており、8月もこの状態が続けば過去最多記録を更新する見通しだ。
また、気候変動に関する研究報告では、温暖化による気温上昇と二酸化炭素(CO2)の増加が、アオコを形成する藍藻の成長を促進しやすくしているという。加えて、豪雨や干ばつの頻発により、肥料や有機物などの栄養分が一気に川や湖へ流入し、水の流れを停滞させることでアオコの繁殖時間が延びている。
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