2024 年 7月 27日 (土)
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新種犯罪への“進化” [KWレポート] 麻薬に酔う韓国の10代 (7)

麻薬飲料を渡した容疑者(写真提供=江南警察署)(c)news1

ソウル・江南(カンナム)の予備校街や学校前で、小・中・高校生らに麻薬飲料を試飲させた後、両親に脅迫電話をかけて金を巻き上げようとした事件があった。

ボイスフィッシングなど、従来の凶悪犯罪が麻薬と結合して新種犯罪へと進化した、という話が出ている。麻薬が少数集団で隠密に流通・消費されていた単独犯罪から、他の犯罪の道具として使われ始めたという分析だ。

◇大胆な犯行

麻薬飲料事件の場合、警察や検察などをかたって脅迫したり、個人情報を盗み取ったりした方式に比べ、フィッシングの手口がさらに悪質になった。

これまでの振り込め詐欺のように、子どものふりをして携帯メールを送り、口座振替を誘導したのとは違って、子どもに直接、麻薬を飲ませ、警察に麻薬使用を通告すると言って脅迫するという、大胆なものになった。

富裕層が多い江南地域でも、特に子どもの学習熱が高い大峙洞(テチドン)をターゲットに、予備校生が多い午後6~10時に犯行を企てたという点で「緻密に計画された犯罪」という側面が垣間見える。

警察は、飲み物を配る▽飲んだ生徒の保護者を脅迫する▽これを計画し指示する――という組織的犯行とみて捜査中だ。警察が8日に緊急逮捕した人物は「中国居住の総責任者から犯行を指示された」と供述しているという。

◇「新たな手口」への危惧

専門家らは麻薬犯罪が進化する背景として、誰でも安くて簡単に麻薬を入手できるようになった点を挙げる。国内の闇取引市場で、ヒロポンの1回使用分(0.03グラム)の価格は最近2万ウォン(約2000円)程度に下がったという。チキンやピザの値段で麻薬を買うことができるようになったわけだ。

捜査当局は、今回の事件を契機に、麻薬を使った新たな手口の犯罪が続くのではと警戒を強めている。

「ボイスフィッシングの現金回収係として使っていたアルバイト生の代わりに、麻薬によって脅迫できる人を使うとか、麻薬を餌に他の強行犯罪を指示するとか、さまざまな可能性がある。こうした犯罪が増える場合、麻薬利権をめぐる犯罪組織間のトラブルも発生する可能性もある」

警察関係者はこう危惧している。

(おわり)

(c)MONEYTODAY

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