2024 年 7月 27日 (土)
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救急救命士のPTSDは誰が救うのか

消防車と救急車が多数駆け付けたソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故の現場(c)news1

救急救命士はソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故のような現場で第一線で人の生命を救う。現場で毎回、残酷な死に向き合わなければならない。一方で、自分たちの健康は顧みられていない。応急救助士に対する社会的認識を改善し、心理的サポートをする必要がありそうだ。

大韓救急救命士協会によると、韓国で資格を取得し、業務を遂行している救急救命士は2万6688人。このうち消防関連機関で活動する人員が1万9060人で最も多く、企業(1528人)、国防省(1111人)、法務省(364人)、保健所(103人)などが後に続く。

災害現場に出動する救急救命士たちは心理的衝撃を訴える。私設救急患者移送業者で働いていた救急救命士Aさん(27)は「梨泰院事故のニュースをリアルタイムで見て、かつて心肺蘇生法(CPR)をした状況を思い出した。患者が途中で死んだり、鮮血が飛び散る様を見たりした同僚たちが苦しんでいることが多い」と話した。

医療機関で働く救急救命士のBさん(30代)も「現場で見ること一つ一つがストレス。今は少しマシになったが、以前は目の前で人が死んだり怪我をしたりすればとても辛かった。特に水に落ちた子供は心肺蘇生が大変だ。救えなかった子供が泣きながら夢に出て、3、4日は眠れない」という。

しかし、応急救助士に対する心理的サポートは皆無だ。取材によると、救急救命士には精神的苦痛を解消する方法が「ない」という。応急救助士Bさんは「お金もなく時間もない。サポートもされない。3交代勤務をしているため、同僚に申し訳なくても病院に行けない」と訴える

大韓応急救助協会のカン・ヨンス常任副会長は「大規模災害が起きた時、軍や消防では心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的困難をケアできるプログラムを施行しているが、民間業者に勤める応急救助士は(心理的ケアの)死角地帯に置かれている」と危惧している。

(c)MONEYTODAY

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