2024 年 10月 3日 (木)
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手作業の回収・選別という困難 [KWレポート] プラスチック循環経済 (2)

(c)MONEYTODAY

グローバル企業は2025年ごろから、リサイクルプラスチック使用割合を高める。その背景には技術の発展がある。すでに廃プラスチックをほぼ90%リサイクルできる技術が商用化されているのだ。

ミネラルウォーターのボトルのようなきれいなペットボトルは物理的なリサイクルが可能だ。文字通りペットボトルを粉砕して再びプラスチック製品にする。必要なエネルギーも、発生する炭素も少ない。ただ、再生プラスチックの質が落ちる可能性がある点は問題だ。色があったり異物がついたりプラスチックに適用できない方法だ。

◇化学的反応

化学的リサイクルは物理的方法を補完できる。大きく▽解重合▽ポリプロピレン(PP)抽出▽熱分解抽出――に分けられる。廃プラスチックに化学的反応を与え、初期の「原料」状態に戻すことだ。物理的リサイクルを数回経て質が落ちたリサイクルプラスチック製品も、このプロセスによって再生できる。

解重合は色のあるペットボトル、カーペット、カーテン、垂れ幕などに活用する。プラスチックを成す塊を分解し、基礎原料に戻す。

PP抽出は廃プラスチックを溶かして物質を抽出する技術。携帯電話や自動車のダッシュボードなどに適用できる。

熱分解抽出は、高熱で煮込み、「原油」のようにするもの。廃プラスチック熱分解油をもとに新たなプラスチックとして再資源化できる。原油と合わせて精製するプロセスを経た後、ガソリンや軽油、灯油のような形で使うこともできる。

プラスチックのリサイクル過程にはエネルギーが入り、炭素が発生する。特に化学的リサイクル過程がそうだ。熱分解抽出だけ見ても300~800度の高温が必要だ。循環過程で使用するエネルギーと、発生する炭素の量を減らし、経済性と環境へのやさしさを備えていくのが技術的目標だ。

世界的には化学的リサイクルの割合を高めることが重要になっている。絶対多数を占める不透明プラスチックのリサイクル率を引き上げる方法だからだ。

韓国企業も2024~25年ごろからプラスチックの化学的リサイクルが可能な工場を完工し、事業に参入する態勢を取っている。

◇韓国大手も続々

化学大手のSKジオセントリックは2025年までに世界初のプラスチックリサイクル総合団地である「蔚山(ウルサン)ARC(Advacneed Recycle Cluster)」を造成する。年間約25万トンに達する廃プラスチック処理をできる。

ロッテケミカルは蔚山第2工場に2024年までに化学的プラスチックリサイクル設備を11万トン規模で構築する。

LG化学は今年第1四半期(1~3月)に忠清南道(チュンチョンナムド)唐津(タンジン)の石門(ソクムン)国家産業団地に、プラスチック循環経済構築のための熱分解油工場の着工に入る。2024年の商業生産が目標だ。

GSカルテックスは実証事業の結果を受け、2024年の稼動を目標に、年間5万トン規模の廃プラスチック熱分解油生産設備の新設投資を模索する。

◇「『生態系』構成が不可欠」

技術は「損失のないリサイクル」に近づいたという評価だ。

「『物理的』は90%以上、『化学的』を通じても80~90%レベルの再資源化が可能だ。炭素排出も、プラスチックを焼却することに比べ70~80%減らすことができる」

プラスチックリサイクルプロセスに精通した関係者はこう指摘する。

カギはこの「技術」の「現実」適用水準を高めることだ。韓国で2020年、年間960万トンの廃プラスチックが排出され、うちリサイクルの割合は24%(230万トン)に過ぎなかった。残りはリサイクルの機会も得られないまま焼却・埋め立てられている。手作業を通じた回収・選別という困難のため、絶対多数のプラスチックが燃やされ、捨てられる。

業界関係者は次のように強調する。

「プラスチック循環経済の『生態系』を構成しなければならない。だが、現状は廃プラスチックを確保することさえ難しい。ロボットを投入するなどして機械化を成し遂げ、選別率をほぼ90%まで引き上げた海外事例も多い。循環経済生態系の構築のために不可欠なプロセスだ」

(つづく)

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