2024 年 12月 22日 (日)
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徴用工問題、韓国政府に立ちはだかる「被害者説得」という難題

12日、ソウル・汝矣島(ヨイド)の国会議員会館で開かれた公開討論会(c)news1

韓国政府が12日、元徴用工問題をめぐる公開討論会を開き、同国政府傘下の財団が賠償を肩代わりする方法を有力案として公表した。ただ、日本の対応と被害者説得という2つのハードルはますます高くなっているようにみえる。

韓国外務省は公開討論会で、公益法人「日帝強制動員被害者支援財団」など「第3者による返済」という枠組みで議論を進めてきた事実を公式的に確認した。外務省は「アイデア」レベルであっても、解決策に言及することには慎重な姿勢を示してきた。

この日の討論会では▽第三者が代わりに返済する(代位弁済)▽元の債務者が債務を返済するという状態のまま、第三者が返済を引き受ける(重畳的債務引受)――などを議論・検討したことが明らかにされた。そのうえで「その核心は『法理選択』より『被害者が判決に基づく賠償金を第三者から受け取っても良い』という点にあると考える」という基本原則が提示された。

◇日本側に「外交的」活動空間

外務省が同日公開した案は、2018年の韓国大法院(最高裁)判決により日本企業から賠償金を受け取るべき被害者に、「第三者」である行政安全省傘下の同財団が賠償金を代わりに支給するものだ。重畳的債務引受と呼ばれるこの方法を履行できるよう、財団は最近、定款を改正してその準備を終えた。

一方で、大法院から賠償命令を受けた三菱重工業や日本製鉄は、これまで被害者側との賠償協議に一切応じてこなかった。日本政府が「1965年の日韓請求権協定で解決済み」として、大法院判決を「国際法違反」と主張してきたためだ。

ただ、両国とも現在、この問題を早期に解決し、行き詰った関係を改善すべきだという点で共感している、というのが政府当局者の説明だ。

外務省が検討してきた解決策も、大法院判決から始まった被害者と日本企業間の債権債務関係を、国内法体系においてまず解消することで、日本側の「外交的」活動空間を整える、ということに焦点が当てられているようだ。

韓国政府当局者が、これまで被害者側の要求した日本企業の賠償参加・謝罪などに関連して「誠意ある対応を期待する」という立場を明らかにしてきたのも、これと関連がある。

◇1~2月に最終案か

一方、被害者側は、外務省が公開した返済案に対して「その場しのぎのもの」と強く反発している。

民族問題研究所のキム・ヨンファン対外協力室長も、外務省が公開した案に対して「日本を完全に免責するのではないかと問題提起せざるを得ない」という反応を示した。

討論会でも、被害者側と思われる傍聴席から、外務省案に賛同する趣旨の発言が出るたびに、ブーイングが沸き起こった。日本側の対応以前に、被害者の「説得」がより難しいことを浮かび上がらせた。このため、早ければ今月中に予想されていた政府の関連最終案発表が遅れる可能性も指摘されている。

一方で、討論会パネルとして参加した国民大日本学科のイ・ウォンドク教授はnews1に「個人的には1~2月に(最終案が)発表されるとみている。被害者が高齢という点で政府も先送りは避けたいところだ。外交的にみても、今が韓日関係改善にふさわしい時期だと判断するだろう」と述べた。

討論会で発題した外務省のソ・ミンジョン(徐旻廷)アジア太平洋局長も、被害者の大部分が90代の高齢であることを挙げ、早急な解決策作りの必要性を強調した。

(c)news1

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