韓国防疫当局は、532日ぶりに屋外マスク着用義務を解いたのに続き、「療養病院・施設での対面面会禁止」や「海外からの入国者に対する24時間以内のPCR検査」などの措置も解除する方向で検討している。
◇「状況に合わせ、着用を」
ただ、防疫当局は今年の冬、新型コロナウイルスの再流行とインフルエンザが同時に流行する「ツインデミック」の懸念が残っているため、屋外でも多くの人が密集している場合、マスクの着用を勧告している。
ペク・ギョンナン疾病管理庁長によると、屋外マスク着用義務の解除は「過料が科せられる国家レベルの義務措置だけが解除されたもの」という位置づけのため、「個人の自律的なマスク着用は依然、状況に合わせて必要」(ペク・ギョンナン氏)という。特に呼吸器症状のような新型コロナウイルスの疑い症状があったり、高齢層を含む高危険群あるいは高危険群と濃厚接触する場合、マスク着用が必要と強調している。また、大勢が密集している状況で、大声や歓声、会話など飛沫が多くなる場合には、屋外でもマスク着用を勧告している。
◇自発的なマスク着用も
実際、屋外マスク着用義務と関係なく、韓国国民は依然として自発的にマスクを着用している。街ではマスクをつけたまま歩く人を見かけることが多い。バス停や横断歩道などでは、マスクを外した人よりつけている人が多い。
屋外マスク着用義務が解除された後に開かれた集会でも同じだ。26日にソウル市永登浦区議事堂大路で開かれた貨物連帯労組決議大会▽龍山で開かれた金属労組集会――では参加者の大多数がマスクを着用している。
韓国では他国に比べ、マスク着用に対する拒否感が相対的に強くなく、感染リスクを減らすため個人防疫規則の順守に努めているといえる。
ただ、屋外サッカー場、野球場を訪れた観覧客の中では、マスクを外したまま試合を楽しむ人も比較的多く目立った。
27日のサッカー韓国代表親善試合と、全国3競技場で開催されたプロ野球の場合、ファンの中でマスクを外した人も少なくなかった。屋外マスク着用義務がなくなり、今後は主要スポーツ競技場でマスクを外して観覧を楽しむファンが増えると推定される。マスク着用義務と関係なく、感染の危険がある場合、積極的な個人防疫規則の順守が必要となる。
室内マスク着用義務は今冬までは維持されると観測される。新型コロナウイルス特別対応団長兼国家感染症危機対応諮問委員長は、今年冬の次の流行に備え、室内マスク着用義務を果敢に解くのは個人的に適切ではない、とみる。「解除を段階的にするより(次の流行が)ある程度安定すれば、室内マスクをみんなで同時に外すという方が混乱はない」という見方を示した。
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