2024 年 12月 22日 (日)
ホームライフスタイル密やかな夏の夜、宮廷料理に癒される…「水刺間の試食共感」を体験してみたら

密やかな夏の夜、宮廷料理に癒される…「水刺間の試食共感」を体験してみたら

宮廷茶食作り体験中の参加者(写真=韓国文化財財団)©NEWSIS

「作り方は簡単ですが、思った以上に真心がこもっていますね。生地を手でぎゅっぎゅっと押さえながらスローの美学を学びます」

30代の女性は、ソウル・景福宮の小厨房区域で15日開かれた「水刺間(スラッカン)=王に食事を差し上げる部屋=試食共感」行事に参加し、「宮廷茶食(菓子)を直接作ってみると面白い」と笑みを浮かべた。

参加者は豆、黒ごま、カボチャの種などを利用した生地を茶食の型に入れて宮廷茶食を丹念に作った。茶食は昔から五色の美しい色で宴席を飾ってきたお菓子だ。

20代の男性参加者は次のような感想を述べた。

「タブレットPCで料理法を見て簡単に真似られて良かった。茶食が単純な食べ物ではなく、先祖の知恵と人生が息づく伝統文化だということを改めて悟った」

「水刺間試食共感」は景福宮小厨房で夜間に、さまざまな宮廷文化を体験できるプログラム。

文化財庁宮陵遺跡本部と韓国文化財財団が主催して2016年に始まり、年々人気が高まっている。今年の一般予約はチケットオープン1分で締め切られた。抽選制(3日間)の競争率は48.3倍。

「水刺間試食共感」夜の生果房を楽しむ参加者ら(写真=韓国文化財財団提供)©NEWSIS

熱い人気のためか、皆が楽しそうな表情だった。幼い子供の手を握ってきた夫婦、韓服を着たカップル、大学生・会社員、中年・老年層ら参加者は、しきりにカメラのシャッターを押し、思い出を作った。

「食道楽×試食共感」と「夜の生果房」が水刺間の試食共感のメインプログラムだ。

小厨房は朝鮮時代の宮殿の台所で、外小厨房・内小厨房・生果房の3つの建物で構成されている。最高の宮廷料理人たちが、全国各地から送られてきた特産物と珍しい材料で調理した料理を作って水刺膳に載せた。

外小厨房は宮廷宴会料理など各種宴会料理を準備していたところだ。内小厨房では宮殿の日常食、生果房で王のデザートとお茶・茶菓などを作った。

外小厨房で朝鮮時代の王室料理を直接味わう「食道楽×試食共感」が実施された。牛乳を入れて煮た柔らかいミルク粥、味噌で味付けした豚肉焼き、蕩平菜(緑豆澱粉を寒天状に固め細切りにしたものに、野菜や肉を和えた宮廷料理)、キュウリ膳、豆腐膳(キュウリや豆腐に牛肉や卵焼を入れてゆでた後、冷汁を注いで作る宮廷料理)、五味子茶などで構成された宮廷水刺膳が目と口を楽しませた。

水刺間の最高責任者であるトソルリ(都薛里)とテリョンスクス(待令熟手:朝鮮時代の宮中料理人)、水刺間の尚宮(朝鮮時代の女官)がミルク粥演劇を披露した。

「夜の生果房」でも多彩な味の饗宴が繰り広げられる。宮中兵科6種(九仙王道糕・開城餅菓子・開城薬菓・クルミ生果・梅雀菓・リンゴ生果)と6種類の茶が用意された。普段、接することができない宮廷の茶菓と薬茶を味わいながらカヤグム演奏を楽しむことができる。

門棟の脇にある路地を散歩しながら様々な路地裏のおやつ(炮鶏〈朝鮮時代の焼鳥〉・スイカ・レンコンの揚げ物・薬食・キキョウ正果・はっかシナモン)が味わえる「キッチン路地」も用意されている。宮殿の美しさを満喫しながら多彩な魅力を持つ料理で癒される。

水刺間の路地は美しい花飾りでいっぱいだ。宮殿内で記念写真を撮ることができる「フォトゾーン」もある。路地では朝鮮時代の王と両班が好んだ撃毬遊びが体験できる。韓国の伝統風呂敷の結び方を体験するイベントも見逃せない。

韓国文化財財団関係者は「今年は新型コロナウイルスの感染状況が緩和され、昨年より水刺間の試食共感イベントへの参加人数を増えた。MZ世代に脚光を浴び、一昨年から宮廷行事の人気が高まった」と話した。そのうえで「本来は外小厨房だけで行事を開いたが、昨年下半期から外小厨房・内小厨房・生果房などに範囲を広げた。下半期の水刺間試食共感行事は10月初めに実施する」という。

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