2024 年 2月 28日 (水)
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女性初の法相カン・クムシル氏、「これからは地球を弁護します」

SDGs~韓国の取り組み

カン・クムシル氏©NEWSIS

韓国の法務法人「ワン(ONE)」のカン・クムシル(康錦実)代表弁護士は「女性初の法相」として記憶されている。2003年の「破格人事」がなかなか忘れられない。カン氏が法相としてノ・ムヒョン(盧武鉉)政権当時、ノ大統領と「検事との対話」に臨んだのは20年前のことだ。

一方、カン氏が「持続可能な地球共同体」問題に長く関わってきたことを知っている人は多くない。

カン氏は政治を離れて2008年、カトリック大生命大学院に進学したのを機に、地球と人間のことを思い悩み、それが2013年には生命文化フォーラム、2015年にはフォーラム「地球と人間」の創立につながった。

生態文明を模索する人々の知識共同体を目指す「地球と人間」は、学術、教育、文化分野で活発な活動を続けている。カン氏の長年の悩みは、地球の危機が強調される今、「地球のための弁論」として本格化している。

ソウル市鍾路(チョンノ)区にある「地球と人間」の事務室にカン氏を訪ねた。

「10年前は一部の声に過ぎなかったが、今は、人々が生態系の危機について覚醒している」。カン氏はこんな認識を示した。「政府のカーボンニュートラル目標設定と法制化はもちろん、企業中心の経済界でESGの実践によって大転換が始まったようだ」とみる。

一方で、予見されたパラダイム転換は始まったが、準備が遅れたため危機が高まっている――という厳しい評価も。危機についての議論はされたが、実践が足りなかった、ということだ。

「私だけでなく、専門家たちが残念に思っているのは、2009年にイ・ミョンバク(李明博)政権の緑色成長目標が現実化できなかったという点だ。もしあの時、目標をうまく実行できていたら、私たちの準備は10年以上早まっただろう」

カン氏はこう悔やんだ。

「今は深刻な生態系危機に直面している。何かを実践する必要があり、人々が制度的な代案(オルターナティブ)を求める時期になる。そうしているうち、経験が蓄積され、世界観の変化がもたらされる。新たな代案法学を論議することが新しい世界観への刺激になり得る」

カン氏は人間中心の「環境」ではなく、「地球」の中の人間を語る。ここで登場するのが「地球法学」で、空と木、川にも権利があると考えるものだ。

地球法学は、環境権の概念が気候変動を防げなかったという問題意識から出発する。近代法体系は人と会社(法人)だけが主体となってきた。その悪影響を解消する「地球共同体のための法体系」という説明だ。カン氏は生態系危機の中で、地球法学が道しるべの役割を果たせると考える。

あまり聞き慣れない概念だが、韓国外ではかなり活発に議論されているという。国内でもミナミイルカ保護法案ができ、青少年の気候訴訟、絶滅危機野生生物保護公益認定判決など価値観の変化を体感しているという。カン氏は「流れは既に始まっている」とみる。

流れが愉快で楽しい方向につながる必要がある――こうも強調している。政策中心に危機を強調する方法ではなく、人々の価値観の変化が今の生態系危機を克服できる原動力になると信じる。「何もしないという否定的な考え方や、危機を強調する不安心理だけでは、私たちが積極的に未来を作っていくことはできない」

カン氏は「地球と人間」を演劇の舞台にしたのに続き、オンライン教育プログラムなども企画中だ。

「楽しく、喜んでできる方法を探す必要がある。今の状況を前提に話すと否定的にならざるを得ないが、これから第3の代案、新しいエネルギーが出てくると思う。困難に直面していますが、私は楽観している」

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