グローバルスタートアップの環境において、韓国の地位が高まり、韓国内での創業を試みる外国人(予備)は着実に増えている。国籍も人種も違う創業家が集まり、組織されたネットワークが「ソウルスタートアップ」だ。メンバーは「私たちのミッションは、外国人を含む韓国内のすべての創業家にネットワークを提供し、韓国スタートアップ環境をグローバルな規模で作ることだ」と強調する。
◇「私たちだけでも集まろう」
ソウルスタートアップを立ち上げたのは、ポーランド出身で「サウスベンチャーズ(SOUTH VENTURES)」のマルタ・アリナ(Marta Allina)理事だ。在韓国のポーランド大使館に勤めていた父親に連れられて幼いころに韓国にやってきたアリナ氏は、大学時代から韓国に住み、滞在歴15年余りだ。大学卒業後はサムスン電子ネットワーク事業部、アクセラレーターCNTテック、スタートアップ取締役職などを歴任している。
アリナ氏がソウルスタートアップを組織したのは2017年。始まりはソウル市江南(カンナム)のある小さな居酒屋だった。
当時CNTテックに在職中だったアリナ氏は、外国人創業家定着プログラム「K-スタートアップグランドチャレンジ」に志願した創業家たちに会い、韓国生活での苦労を聞いた。
大半が言語や文化などで壁にぶち当たった。
すべてを解決することはできない。だが一つだけ改善できる――アリナ氏はこう感じた。それは異国での人的つながりの薄さから来る「寂しさ」だった。
アリナ氏はすぐにチャットツール「Slack(スラック)」にチャンネルを開設し、外国人創業家10人余りを招待した。韓国人ネットワークに入ることができなければ、外国人同士でネットワークを作ろう――という趣旨だった。
やがて外国人創業家の仲間に加え、韓国スタートアップに勤務する外国人職員らが合流するようになった。昨年、会員数は3765人に達した。
(つづく)
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